『金色のガッシュ!!』が教えてくれた、パートナーシップの尊さ 連載開始20周年に寄せて
今年で連載開始から20周年を迎えた雷句誠による人気漫画『金色のガッシュ!!』。主人公は天才ゆえに孤独な学生生活を送る中学生・高嶺清麿で、そんな彼が不思議な力を持つ子供・ガッシュとの出会いをきっかけに、1000年に一度人間界で開催される魔界の王様を決める戦いに身を投じていく物語だ。
連載から20年経った今でも『金色のガッシュ!!』という作品を目にするたび、ガッシュの「だから私は戦ってるのだ!! やさしい王様になるために!!」というセリフや「鉄のフォルゴレ」のメロディが脳裏に過ぎる方も多いのではないだろうか? 今回は、そんな『金色のガッシュ!!』が時代を超えて愛され続ける理由について考えていきたい。
どんなに強くても1人では戦えない
笑いや感動を呼ぶストーリーや圧巻のバトルシーン、そしてガッシュをはじめとするキャンチョメやウマゴンといった個性豊かな魔物が数多く登場するところなど、本作の魅力を挙げたらきりがない。
けれど、その中でも特に注目したいのは、魔界の王様を決める戦いのルールだ。まずこの戦いは魔物の子ども100人を人間界に送り込み、その中から最終的に勝ち残った1人を次代の魔界の王にするというものだ。各魔物は自分のパートナーになる人間が決められていて、人間界に降り立ったら最初にパートナーを見つけなければならない。そして、魔物は人間のパートナーが読む魔本を通じなければ術を発動することができない。つまり、人間のパートナー、そして魔本が揃って初めて戦うことができるのだ。
どんなに強い魔物でも1人では戦うことができない。そして、人間のパートナーの心の強さによって術の強さが作用されるため、この魔物と人間のパートナーシップは『金色のガッシュ!!』の戦いにおいて非常に重要になってくる。