『数学ゴールデン』が描く王道の英雄譚 熱い青春漫画の魅力を考察

『数学ゴールデン』こそ王道の“英雄譚”である

 なお、数学の問題を解くことと、漫画のようなフィクションを読むことには、実は意外な共通点がある。それは、いずれも一見、「人生の役には立たない」と思われがちなことだが、数をこなせば、仮定の難問が具現化した際にも、柔軟な発想をもって対応できるような能力を培えるということだ。そう、数学も漫画も、明日には何が起きるかわからない“いま”を生き抜くための、リアルな力を身につけさせてくれるものになり得るのだ。

 「いや、深読みにもほどがありますよ」と作者からは苦笑されるかもしれないが、この『数学ゴールデン』という熱い青春漫画を読んで、ふとそんなことまで考えてしまった次第である。

■書籍情報
『数学ゴールデン(3)』
藏丸竜彦 著
定価:715円(本体650円+税10%)
出版社:白泉社
公式サイト

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