「ひき肉にされたい!」『特攻の拓』原画展 こだわり過ぎの会場限定グッズが話題 漫画担当・所十三も驚き

■伝説の暴走族漫画の原画を鑑賞

  ヤンキー漫画のブームが起こり、ヤンキーファッションまで注目されている昨今であるが、1990年代のヤンキー・暴走族漫画の金字塔『疾風伝説 特攻の拓』の原画展が、作品ゆかりの地・横浜で開催される。期間は2024年4月27日から5月12日まで、会場はYOKOHAMA COAST。

  作画を担当した漫画家・所十三も連日、Xで原画展に関する話題をポストしており、盛り上がりを見せている。見どころは、何といってもインパクト抜群の“あの”場面が展示されるかどうかだろう。『特攻の拓』ほど、名場面が多い漫画は珍しい。読んだことがなくても、「あの絵の漫画か!」と思う人も多いはずだ。

 「“待”ってたぜェ!! この“瞬間”をよォ!!」「“事故”る奴は・・・・“不運”(ハードラック)と“踊”(ダンス)っちまったんだよ・・・・」を筆頭に、あのインパクト抜群の名場面もそうなのだが、見開きで展開される喧嘩の場面などがどのように展示されるのか、興味津々である。ファンにはたまらない増天寺LIVEのシーンなども展示されるのだろうか。どの場面が展示されるのかと、期待しながら会場に向かいたいものだ。

  この機会に所十三の絵の美しさを、存分に堪能したいものだ。表紙や扉に使われたカラー原稿も展示されると思うし、個人的な感想を述べると、『特攻の拓』はベタが美しい漫画だと思うので、モノクロ原稿も必見だろう。暴走族漫画ゆえ夜を描いた場面が多く、単車の疾走感や、ライトの表現一つみても美しい。印刷された漫画では見ることができないホワイトの跡など、原画ならではの臨場感を見ることができるだろう。

■グッズがとにかく凄すぎる

  原画展でしか手に入らないオリジナルグッズも続々情報が公開されているが、間違いなく、グッズを作った関係者が“わかっている”人ばかりだなと感じるものばかりだ。記者の一押しが、作中に登場する暴走族の旗をイメージした「族旗風ビックタオル」である。既に休刊になってしまった伝説の暴走族雑誌「チャンプロード」を見ると、暴走族のメンバーはチームの旗を部屋の壁にドーンと飾るのが定番だった。ぜひ、このタオルを壁に飾ってみたい。“爆音小僧”や“魍魎”の一員になったような気分が味わえるはずだ。

  そして、鮎川真里、榊龍也、一条武丸の目が大きくプリントされた「ガンとばしアイマスク」も見逃せない逸品だ。これを使って仕事中に仮眠をとったら、周りがぎょっとするかもしれない。また、各キャラクターのアクリルスタンドも発売される。90年代の名作漫画が、現代の推し活の定番グッズになるのは嬉しいところだ。所十三も注目しているのが、「マー坊の“ひき肉にしちまうよ!麻婆豆腐」。これは面白すぎて、つい笑ってしまう。

  といった具合に、関係者の『特攻の拓』愛が感じられる展示会なので、ぜひ足を延ばしたい。併せて、作品の舞台になった横浜周辺のスポットを聖地巡礼するのもいいだろう。

 

『疾風伝説 特攻の拓』所十三、いまだから話せる伝説的暴走族漫画の創作秘話

1990年代の「週刊少年マガジン」。私は、熱烈な読者の一人だったが、当時は「週刊少年ジャンプ」「週刊少年サンデー」などあらゆる少…

■「疾風伝説 特攻の拓」原画展
日程:2024年4月27日(土)~5月12日(日)
会場:神奈川県 YOKOHAMA COAST

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