『空挺ドラゴンズ』『ダンジョン飯』 食べられないはずの異世界飯に飯テロされる理由とは

食べられないはずの異世界飯が美味しそう

 YouTubeには「マンガ食堂」というチャンネルがあり、いろいろな漫画作品に登場するメニューの再現に挑んでいる。その中には『空挺ドラゴンズ』と同様に、異世界が舞台になった『ダンジョン飯』に登場するメニューもあって、第7巻に登場する「魂のエッグベネディクト」や、第10巻に登場の「首刈りうさぎカレー」に挑んでいる。

「ダンジョン飯」(九井諒子)の魂のエッグベネディクト【漫画飯再現】/"DANJONMESHI" eggs Benedict

 エッグベネディクトは原作ではハーピーというモンスターの卵を使っているが、現実には存在しないため鶏の卵で代用。カレーの方も「首刈りうさぎ」ではなく、うさぎ肉を通販で買って使うという具合に現実とフィクションを融合させていておもしろい。

 竜に食われた妹のファリンを取り戻そうと、兄のライオスがダンジョンへと入ったものの金欠で食料を変えず、倒したモンスターを食べながら続ける冒険を描いた『ダンジョン飯』。

 はじめは大サソリも歩き茸もただ茹でただけで食べようとしていたが、以前からモンスターを料理して食べていたドワーフ族のセンシが合流して、サソリはハサミや尾を落とし、苦い内臓も取って使うこと、スライムも干して刻めば麺になると教えてくれた。この料理も蟹や椎茸やクラゲの干物で代用できそうだが、大コウモリや引き抜く時に人を殺す大声を出すマンドレイクは何で代用できるのか。考えてみるのも面白い。

 物語では、緑竜に炎竜にワイバーンに日本の竜とあらゆる物語の竜たちに囲まれ絶体絶命の中、食べることを通して得た竜やモンスターの知識が発揮される。肉や魚であってもモンスターであっても対象をとことん知ること。それが美味しい料理を作る秘訣なのかもしれない。

 最後にもうひとつだけ、気になる異世界料理をあげるとしたら、クール教信者による漫画『小林さんちのメイドラゴン』に登場するトールのしっぽ料理だろう。異世界から現代にやって来てプログラマーの小林さんと暮らすことになったトールという名のドラゴンが、隙を見て自分のしっぽを切り取り小林さんに食べさせようとするが、見る度に小林さんは料理を突き返す。カレーに混ぜても尻尾肉だけ避ける。

 トールによれば自分の尻尾は美味しくて、食べれば疲れも吹き飛ぶそうだが、断面がどうにもグロテスクな上にアニメ版だとギラギラしていて食欲が失せる。だからと言うこともあるが、小林さんが食べないのは友だちの尻尾を食べることに抵抗があるから。種族を超えた友情を感じる場面だが、実際、見た目に反して本当に美味しいのかどうか、ミカやセンシならどう料理するかが気になって仕方がない。

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