NEWS 増田貴久主演ドラマも注目 『古見さんは、コミュ症です。』の魅力とは?
※本稿は『古見さんは、コミュ症です。』のネタバレを含みます。
「週刊少年サンデー」で連載している、オダトモヒトの『古見さんは、コミュ症です。』が絶好調だ。2021年9月現在、単行本は22巻まで刊行。さらに、今月の6日からNHK総合でドラマ、10月6日からテレビ東京他でアニメの放送が始まるのである。
この原稿、実はドラマの初回を見終わってすぐに書いているのだが、先が楽しみな出来であった。特に注目したいのが只野仁人を演じている、ジャニーズ事務所所属の男性アイドルグループNEWSのメンバーの増田貴久である。というのもこの物語、ヒロインは池田エライザ演じる古見硝子なのだが、キー・パーソンとなっているのは只野くんだからだ。
漫画は、県内でも有名な進学校の私立伊丹高校に入学した只野仁人が、クラスメートの古見硝子と出会う場面から始まる。中学の頃は中二病気味だった只野くんだが、今は周りの空気を読んで、目立たず生きていこうと思っている。しかし隣の席が古見さんだったことから、注目を集めてしまう。というのも古見さんは、とんでもない美少女で、すぐさま学校のマドンナになったからだ。
しかし古見さんは誰とも喋ることなく筆談を使い、なにかあると激しく震えたりと態度がおかしい。男女の機微にこそ疎いが、人をよく観察して本質に気づく只野くんは、古見さんがいわゆる“コミュ症”(人付き合いを苦手とする症状。またはその症状を持つ人を指す)であることを見抜いた。そして彼女は子供の頃からまったく友達がいないこと、そんな自分が嫌で、友達が欲しいと思っていることを知る。
古見さんの願いをなんとか叶えたいと考えた只野くんは、まず自分が友達になる。さらに、幼馴染のクラスメートで、コミュ力の化け物である長名なじみの協力を得て、古見さんの友達を100人にすべく頑張るのだった。
というのが物語の発端だ。最初はなじみがストーリーの牽引役として機能していたが、クラスメートを中心に古見さんの友達が増えていくと、青春群像劇の要素も強まってくる。その一方で、只野くんと古見さんの関係が、じりじりと接近。甘酸っぱい恋愛物としても読めるようになっている。