『ONE PIECE』レッドラインには何がある? ワンピース研究家が“地理の謎”を考察

『ONE PIECE』レッドラインの秘密

※本稿は『ONE PIECE』に関するネタバレが含まれます。

 麦わらの一味が“最後の海”である新世界入りを果たしてから、連載にしておよそ10年余りが経った『ONE PIECE』。ルフィたちが冒険する“星”のおおよその全体像は見えてきたが、その地理には未だに謎が多い。現在進行中の“ワノ国編”でも次々と新たなワードが登場し、8月23日発売の「週刊少年ジャンプ」に掲載された1022話では、これまでほとんど描写されてこなかったレッドライン上の新情報が明かされ、ファンの間で様々な憶測を呼んでいる。

 『ONE PIECE』の地理には現在、どんな謎があるのか。改めて、ワンピース研究家の神木健児氏に聞いてみたい。

「ルフィたちが冒険している星について、まず簡単に整理しましょう。星をぐるりと一周する赤い土の大陸(レッドライン)があって、それと垂直に偉大なる航路(グランドライン)が一周しています。レッドラインとグランドラインで、世界の海は東の海(ウエストブルー)、西の海(ウエストブルー)、南の海(サウスブルー)、北の海(ノースブルー)の4つに区分されていて、それぞれの海に島々があります。グランドラインは海王類が住む凪の帯(カームベルト)に挟まれているため、東西南北の海からまともに入ろうと思えばレッドラインとグランドラインが交わる、リヴァース・マウンテンの運河を経由しなければいけません。リヴァース・マウンテンからグランドラインを進み続けると、半周まわったところで再びレッドラインと交差しますが、その上には天竜人や五老星の住まう聖地マリージョアがあります。

 さて、ここで一つ大きな謎があります。グランドライン上にもたくさんの島々があり、ルフィたちは冒険を繰り広げてきたわけですが、レッドラインに関してはほとんど描写がないのです。グランドラインとの交差点に、リヴァース・マウンテンと聖地マリージョアがあることはわかっていますが、それ以外の土地はどうなっているのか? あれだけ広大な大地に人は住んでいないのか? 長年、謎でした。

 ところが今回、マルコがキングに言ったセリフ内で『昔、赤い壁のその上に”発火”する種族が住んでいた』ということがわかり、赤い土の大陸には過去そういった種族の存在があったと匂わされました。もしかしたらその種族だけでなく、いろんな生命がレッドラインには溢れていた可能性もあるわけです。もしくは今も実は様々な国があって、多くの人や動物が住んでいるのかもしれません。ルフィが航海をしているグランドラインにも多くの謎がありましたが、レッドラインにも何か謎があると提示された瞬間だったんじゃないでしょうか。”昔は発火する種族がいた”とのことでしたので、自然淘汰していったか、何者かに侵略されていなくなっていってしまったかのどちらかだと思いますが、後者であれば空白の100年に関係することは間違いないでしょう。今でこそ”聖地マリージョア”は当たり前にありますが、もともとはその種族が住んでいたのかもしれません。それが800年前、世界政府が作り上げられた時の犠牲になった種族であるなら、これからワンピースの世界の歴史が紐解かれる際にまた描かれるでしょう。

 レッドラインに大きな注目が集まっている現在だが、その他の惑星との関係性もまた、熱心な読者たちの間で盛んに考察合戦が行われていると神木氏は続ける。

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