【漫画】月面基地の映像を手に入れた男が大激怒……そんな作品がプロ漫画家の添削でダイナミックに変貌
各種アプリやウェブサービス、SNS等の隆盛により“発表”の場が増え、多くのクリエイターが漫画を発表し、ウェブ発の人気作品も多く登場するようになった現在。活躍を夢見る漫画家の卵に対して、悩みに答え、実際に添削を行う動画が人気を博している。
なかでも高い人気を誇っているのが、元週刊少年漫画誌の連載作家である「ペガサスハイド」氏だ。視聴者から寄せられた漫画やイラストを細やかにチェックし、長所をしっかり褒めつつ、確かな知識と技術により、向上したいポイントを解説。わかりやすく、後進を応援する内容で、自身がクリエイターでなくてもチェックしているファンが多い。
そんななか、8月1日に公開された動画では、やや珍しいリアル系、劇画調の漫画に対する添削が行われた。
今回の漫画で描かれているのは、「月面都市」の映像を入手したというが、誰にも理解されず激怒している男と、心の中ではやや呆れながらも、表面上はやさしくなだめる男。添削を求めたodopooさんは、セリフの多さと画面構成に悩んでいるという。
まず、ペガサスハイド氏はいつものように、この漫画のいい点を挙げる。ハイド氏は「ヤングマガジン」出身ということもあり、青年誌の男っぽい空気感があるところに好感を持ったという。また、なだめる男の「心の動き」を丁寧に描写しようとしているところも評価しており、「この漫画の作者は男性。女性と比較して男性は心理描写が苦手な傾向にあるが、それを一生懸命に描こうとしているのがいい」と語った。
そして、ここからがプロの実演。元の原稿の要素をしっかり拾いつつ、サラサラとネームを描いていく。第一の添削ポイントは「何が起こっているかわかりづらい」ところ。確かに、元の漫画を読むと、男が何に憤慨しているのかわかりにくい。ハイド氏はその原因を「無駄なセリフが多い」と総括。実際に発せられているセリフと、内心思っている本音が各コマに描かれており、「ものすごく言葉を読まされる。初心者にありがちな、“あなたは漫画が描きたいの? 小説が書きたいの?”という状態になってしまっている」と、ズバリ指摘した。