パラリンピックも楽しみになる! 「テニス」の魅力がわかる小説&ライトノベル3選

車いすテニスの女王に挑め! 阿部暁子『パラ・スター』

阿部暁子『パラ・スター〈Side 宝良〉』(集英社文庫)
阿部暁子『パラ・スター〈Side 宝良〉』(集英社文庫)

 ロジャー・フェデラー選手が「日本にはシンゴがいる」と言って讃えたテニスプレイヤーが、車いすテニスの国枝慎吾選手。そんな国枝選手が戦う車いすテニスの世界が、どれだけ厳しい練習を経た選手たちによって競われているかが書かれているのが、阿部暁子の『パラ・スター』だ。

 『パラ・スター〈Side 宝良〉』はプレイヤーの君島宝良が、スランプを克服して車いすテニスの女王に挑むストーリー。1秒でも速く動けるようにと車いすの取り回しを練習し、数ミリ単位で座面の高さを調整して臨んだ試合で、負けたくないという気持ちをボールに乗せて相手コートに叩き込む。パラリンピックも、オリンピックと変わらず選手たちが体力と技術と根性をぶつけ合っている場なのだと分かる。

 『パラ・スター〈Side 桃花〉』は宝良の親友で、車いすのエンジニアになった山路桃花から見たストーリー。合わせて読んで、車いすテニスに限らずパラスポーツに大勢の思いと希望が向けられていることを感じ取りたい。

■天沢夏月『DOUBLES!! -ダブルス-』(メディアワークス文庫)KADOKAWA
■川添枯美『ひっぱたけ! ~茨城県立利根南高校ソフトテニス部~』(集英社オレンジ文庫)
■阿部暁子『パラ・スター 〈Side 百花〉/〈Side 宝良〉』(集英社文庫)

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