『サレブル』著者・セモトちかが語る、ドロドロの不倫劇を描いた理由 「人間の多面性を楽しんでもらいたい」
集英社の女性向けマンガアプリ「マンガMee」で独占配信されている『サレタガワのブルー』(以下、『サレブル』)が、人気俳優の犬飼貴丈と元乃木坂46の堀未央奈を主演に迎えドラマ化された。
読むと“不倫したくなくなる”漫画として評判を呼んでいる本作の著者であるセモトちか氏にメールインタビューを実施。ドラマ化への想いや、作品を描くことになったきっかけなどを訊いた。(編集部)
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ーー実写ドラマ化おめでとうございます! ドラマ化されると決まった時の率直な気持ちをお聞かせください。
セモトちか(以下、セモト):ありがとうございます! 最初に聞いた時は、「夢かな? ドッキリ? モニタリング?」と思いました(笑)。子どもの頃からの夢だった漫画家のデビューが決まった時に、担当編集さんと「次なる夢は自分の漫画の実写化です!」と熱く語り合った日のことを思い出しました。多くの方の支えがあってのことなので、感謝の気持ちでいっぱいです。
ーー不倫“サレタガワ”田川暢役を人気俳優の犬飼貴丈さん、“シタガワ”の藍子役を元乃木坂46の堀未央奈さんが演じることになりましたが、配役が決まった際にはどう感じましたか?
セモト:私はキャラクターを描く時に、芸能人や友人や知人など実際にいる方を数人イメージして描いているのですが、犬飼さんはまさに暢のイメージの中の一人で「決まったよ!」と聞かされた時は、お腹の底から大きな声が出ました(笑)。『仮面ライダービルド』の頃から大ファンなので!
堀さんは天使みたいに美麗で清楚でかわいらしい方ですし、ファンの方々にもご本人にも藍子という最強の悪女役を受け入れていただけるか、それだけがかなり心配でした。でも現場でお会いした際に、「藍子役、演じていてすごく楽しいです!」とキラキラした笑顔で言ってくださり、本当に安心しました。そして優しすぎて一気にファンになりました……! 仕上がりもあまりにも完璧な藍子で、堀さんの女優魂を感じて、胸が熱くなりました。
ーー撮影現場にも見学にいかれたとのことですが、生で見たお二人のお芝居はいかがでしたか?
セモト:本当に犬飼さんと堀さんが、暢と藍子でした。私の脳内で考えられたセリフが、お二人の口から発せられるのを実際に目の当たりにして、光栄すぎて泣きそうになりました。夢が叶った瞬間で、一生忘れません!
ーー本作のもう一人の主人公とも言える森梢役には高梨臨さんが、藍子同様に強烈なキャラクターで不倫“シタガワ”のモラハラ夫・森和正役の岩岡徹さんがキャスティングされていますね。
セモト:高梨臨さんも大好きな女優さんなので、決まったよと言われた時、私の中で拍手喝采でした。まさにイメージ通り! そして和正は『サレブル』の中でもトップを争う邪悪なキャラなので、イケメンでジェントルなイメージの岩岡さんにやってもらって大丈夫なのかしらと、こちらもすごく心配になりました。ただ、漫画の和正より魅力的で色気もすさまじい方なので、“不倫不可避な上司”として、見ている方にもドキドキソワソワしてもらえるんじゃないかなと思います。漫画では「こんなヤツのどこがいいのかわからない」とよく言われるのですが(笑)、ドラマ(三次元)で見たら良い男だった、と思ってもらえると思います。
ーー脚本を務める舘そらみさんは『来世ではちゃんとします』や『38歳バツイチ独身女がマッチングアプリをやってみた結果日記』といった漫画原作のドラマでも脚本を務め、評判を得ていますが、セモトさんが原作者として舘さんにお願いしたことはあるのでしょうか。
セモト:舘そらみさんとお仕事できるなんて光栄で、ありがたいです! 漫画を愛してくれる読者さんにも楽しんでいただけるように、人気のシーンやセリフはなるべく残して欲しいという点や、シーンの意図も細かくヒアリングしていただけたので、ニュアンスまでしっかりお伝えすることができました。“不倫したくなくなる”がテーマなので、そこはブレさせずお願いします! というのが一番熱くお伝えした部分です。とても愛を持って脚本にしていただけたなぁと感じています。
ーーセモトさんはもともと働きながら漫画を描いていたということですが、“漫画家”を目指したきっかけを教えてください。
セモト:前作の『星になる前にキミと』を描きあげたいという熱い気持ちからでした。このストーリーを描きあげることは私の人生の使命だと思っていまして。漫画アプリ「comico」のチャレンジ枠に趣味で半分くらい投稿していたところ、公式にお誘いいただけてデビューとなりました。