【ネタバレあり】『東京卍リベンジャーズ』は映画版も面白い! 原作へのリスペクト感じる、製作陣の工夫

映画『東京リベンジャーズ』原作との違い

 上記した原作の展開とは異なり、劇場版ではドラケンを運ぼうとする武道の道を、まずはキヨマサ以外の一派が阻んだ。そこに溝中五人衆ならぬ「溝高五人衆」が助太刀に入り、武道は病院に向け進む。その武道をキヨマサが待ち構えており、ここからvが幕を開けた。絶体絶命の大ピンチを結局は元々の仲間が救う、名場面からは少々逸れた展開となった劇場版。しかし作品の随所にキヨマサvs武道の構図を匂わせることで、最後の戦い終了後の満足感や見応えは抜群だった。

 今や「週刊少年マガジン」の看板漫画となった『東京卍リベンジャーズ』。漫画作品の実写化は、過去の歴史から賛否両論あるものである。しかし劇場版『東京リベンジャーズ』の感想を筆者個人が端的に述べるなら、「面白い」の一言だろう。マイナーチェンジはあっても原作の名場面はしっかりと盛り込んでいたし、1本の映画として見せるための工夫は見事だった。そしてこだわり抜かれた構図や演出からは、製作陣の原作リスペクトがひしひしと伝わって来る。2021年の夏を彩る映画『東京リベンジャーズ』。劇場版に触れ面白いと感じた人は、ぜひ原作にも手を伸ばしてみて欲しい。

■青木圭介
エンタメ系フリーライター兼編集者。漫画・アニメジャンルのコラムや書評を中心に執筆しており、主にwebメディアで活動している。

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