瞬間最大風速でネットを駆け巡った“例の漫画” 『腐女子除霊師オサム』に見るジャンプ+の凄み

“例の漫画”大バズりに見るジャンプ+の凄み

 「少年ジャンプ+」で7月5日に公開された読み切り漫画『腐女子除霊師オサム』がSNS上で早くも旋風を巻き起こしている。作者は「ゲタバ子」とクレジットされており、少なくともこの名前では知られていない、まったく無名の作家だ。

 詳しくは実際に読んでいただきたいところだが、その内容を簡単にご紹介しよう。

 いまどきのギャル=春山カイカの家に、正体不明の怨霊が出現した。ベテラン(?)の除霊師たちを頼るが成仏させることができず、彼らは「あんな猛り狂った怨霊見たことない!」「何言ってるかわからない」「理解不能」「他をあたってくれ!」と“除霊師カタログ”を押し付け逃げ出す始末。困ったカイカはそのカタログに、自分と同じ高校の制服姿の女子を見つけ、学校で声をかけることに。

 除霊師としてカタログで紹介されていたのは、乾オサム。属性は陰キャラの漫画オタクだ。陽キャラのギャルに突然声をかけられ挙動不審に陥り、人とすら話すのが苦手な自分にはほとんどの除霊なんて無理だと断るが、話を聞いていくうちにカイカの家に出た怨霊は”自分が除霊できる類の霊”であることに気が付く……。

 タイトルからも想像できるように、カイカの家に出た怨霊とは、前の住人の「強烈な“腐”の残留思念」だ。ここでいう「腐」とは、腐女子の「腐」。もはや市民権を得て久しく、特に漫画好きにとっては説明不要の言葉だとは思うが、腐女子というのは、主に漫画やアニメの登場人物を「勝手にカップリングして妄想する」属性のある人たちのことだ。

 オサムは腐女子の残留思念を専門に扱う除霊師として、大立ち回りを見せる。ここからの除霊方法や、腐女子と縁遠いカイカに対する「腐女子用語」の解説がまさに抱腹絶倒なので、内容はぜひ本編をチェックしてほしい。(https://shonenjumpplus.com/episode/3269754496381675608

 腐女子的な属性のある人、あるいはその知識がある人にとっては“あるあるネタ”が豊富に含まれるが、正反対のキャラクターともいえるカイカの存在が、読者を置いてけぼりにしない。想像力たくましい”腐女子”の実態を知りたい人にとっては、「そういうことだったのか!」と笑いながら勉強にもなるかもしれない。

 ネットでは、この漫画を書いた「ゲタバ子」とはどんな作家なのかと、過去作も含めた捜索がされており、「この人では?」という憶測も飛び交っている。発表がない限り何者かはわからないが、誰が描いた作品であっても面白いことには変わりない。作家のネームバリューではなく、「面白い作品」だからバズる、というのはとても健康的なことだ。

 「ジャンプ」本誌にはなかなか掲載されない内容かもしれないが、こうして無名の作家が突然現れ、作品のパワーで話題をかっさらう「ジャンプ+」の凄みを改めて感じた。これだから日々のチェックがやめられない。

■漫画情報
『腐女子除霊師オサム』
著者:ゲタバ子
出版社:集英社
公開:少年ジャンプ+
URL:https://shonenjumpplus.com/episode/3269754496381675608

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