伊藤沙莉が語る、自分を肯定することの大切さ 「肯定すると、いろんなことが広がります」

伊藤沙莉、初エッセイに込めた想いとは

 9歳の女優デビュー以来、『ひよっこ』『これは経費で落ちません!』『いいね!光源氏くん』など数多くの作品に出演し、第一線で活躍する伊藤沙莉。TVアニメ『映像研には手を出すな!』では、コンプレックスだったと語る”声”を武器にして声優にも挑戦。そんな今最も旬な女優と言っても過言ではない、彼女が初フォトエッセイ『【さり】ではなく【さいり】です。』(KADOKAWA)を発売した。

 本書は自身のコンプレックスや生い立ちのこと、家族や親友、そして女優業について……。過去から現在、そして未来、伊藤沙莉のすべてが詰まった貴重なエッセイに仕上がっている。そこで今回「リアルサウンド ブック」ではインタビューを企画。初フォトエッセイに込めた想い、これまでの人生を振り返って感じたこと、収録カット撮影時のエピソードなど、余すことなく語ってもらった。(編集部)

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――本書のタイトルがTwitterの自己紹介文とまったく同じ、というのが面白いなと思いました。

伊藤沙莉(以下、伊藤):これは、すぐに決まりました。もともとタイトルについては全然考えていなかったんですけど、編集者さんから「どうですか?」と提案していただいて。このタイトルが書かれたイメージ見本を見たときに、たしかに“伊藤沙莉の本”として、一番簡潔でわかりやすいなと思ったんです。実際、名前も「さり」って呼ばれること多いので、いろんな面でちょうどいいと思って、しっくりきました。

――エッセイを書くことになったときのお気持ちは?

伊藤:本当に突然、「本を書いてみませんか」というお話をいただいて、とにかく驚きました。しかも、「私が本を書いたら面白そう」と思ってくださったから、声をかけていただけたわけで。シンプルに嬉しいのと、私に書けるかな、みたいな葛藤でしたね。いや、葛藤まではいかないかな。

――ちなみに今、発売を控えて、どんなお気持ちですか?

伊藤:すごい……遠くへ行きたい。

――えっ(笑)。自信なくなっちゃいました?

伊藤:自信なくなっちゃいましたね……だんだん。ほぼ直しが入っていないんですよ。100%私の言葉が届くので、結構、緊張しますね……何をどう思われるんだろうって。

――ドラマや映画と違って、「これが伊藤沙莉です」と全面に押し出すわけですもんね。

伊藤沙莉

伊藤:そうなんですよ。性格がモロに出た文章の書き方をしているので、ぐちゃぐちゃなんです。だから、世の方々がどう思うのかも気になるし、自分の周りの人たちが、自分を知っているからこそ、どう思うのかっていうのはちょっと怖いところもありますね。

――文章をあまり直さないことも、こだわりですか?

伊藤:そうですね。微調整はしていますけど、やっぱり最初にポロッとこぼれたものが、きっと素直な思いなので、なるべく生かしたいなっていうのはありました。

――本を作る上で、“こんな本にしたい”という思いはありましたか?

伊藤:自分が書いたものを、必ず1回は声に出して読むことにしていました。たとえば映画やドラマには、ナレーションがあるじゃないですか。そんなふうに、この本に書かれている出来事が映像で流れているとして、そのナレーションが、この文章ではしっくりこない。というのは嫌だったんです。だから、一つの作品が頭の中で出来上がるように書いたつもりではあります。

――それは役者さんならではの感覚ですね。

伊藤:はい、初監督作品です。    

――公開が楽しみです! もともと文章を書くことに、苦手意識は特になく?

伊藤:いや、苦手意識まではいかないけど、書けるわけがないと思っていました。でも、よくよく思い出したら、私、小学校低学年くらいのときに、戦争の話をおじいちゃんにインタビューして書いた作文で『郵便局長賞』をもらったんですよ。なので、そんな過去もあったぜ! って。

――引っ張り出してきて?

伊藤:そう、引っ張り出してきて(笑)。何か1個でも自信をつけないといけない気がしたので、それを引っ張り出しました。あとは、お兄ちゃん(お笑いコンビ・オズワルドの伊藤俊介)が自粛期間中にずっとnoteを書いていて。それを読ませてもらったら、文章でここまで笑わせることができるって、面白いなと。まぁ、彼はそれが仕事なのであれですけど、自分に書く理由とか、意味とかを叩き込みました。

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