三浦建太郎『ベルセルク』が漫画界に残した功績 ダーク・ファンタジー興隆への礎に

『ベルセルク』三浦建太郎が切り開いたもの

 いずれにせよ、この作品のヒットがその後のコミック・シーンの流れを大きく変えたのは間違いない。そう――『ベルセルク』というターニングポイント的な作品がなければ、のちの『鋼の錬金術師』も『進撃の巨人』も、あるいは、『鬼滅の刃』も『呪術廻戦』もなかった……というのはさすがにいいすぎかもしれないが、それでも、80年代末に三浦が上げた最高のトスが、現在の漫画界におけるダーク・ファンタジーの隆盛につながっているのはまぎれもない事実だろう。

 もちろん『ベルセルク』が未完に終わったことは残念というほかないが、考えようによっては、作者は読者の想像力に物語の結末を託したのだといえなくもない。

 三浦建太郎先生のご冥福を、心からお祈りいたします。

■島田一志
1969年生まれ。ライター、編集者。『九龍』元編集長。近年では小学館の『漫画家本』シリーズを企画。著書・共著に『ワルの漫画術』『漫画家、映画を語る。』『マンガの現在地!』などがある。Twitter

■書籍情報
『ベルセルク(1)』
三浦建太郎 著
定価:本体580円+税
出版社:白泉社

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