『SLAM DUNK』のヒロイン、あなたは晴子派? 彩子派? 二人の魅力を検証
連載終了から25年経った現在でも、スポ根作品の金字塔として漫画界に君臨する『SLAM DUNK』(集英社)。2021年1月7日には映画化も発表され大きな話題を呼んだ本作だが、作中には魅力的な2人のヒロインが存在する。そこで本稿では、『SLAM DUNK』に登場する2人のヒロイン、晴子と彩子の魅力を改めて紹介していく。
王道のヒロイン・赤木晴子
『SLAM DUNK』の主人公・桜木花道がバスケを始めるきっかけとなった出来事。それが赤木晴子との出会いだ。高校入学当初、中学時代を喧嘩上等の不良として過ごしてきた花道には、大きな悩みがあった。それは女性に全く縁がないことだ。中学時代に50人から振られる大記録を成し遂げた花道は、県立湘北高校への入学後も立ち直れずにいた。そんな花道に入学早々「バスケットはお好きですか?」と話しかける人物が。花道が振り返ると、そこには同じ1年生の美少女が立っていた。その少女・赤木晴子がどストライクだった花道は、何の迷いもなく「大好きです」と返す。そして花道は晴子との華の高校生活を夢見て、バスケットの世界に足を踏み入れることとなった。
晴子は言わずと知れた本作のメインヒロインだ。他のキャラとは一線を画す美少女として描かれ、性格は温厚で天然。運動神経は悪いながらも、バスケに一生懸命打ち込む兄・剛憲や花道を影から支えている。そのキャラ設定はまさに王道のヒロインと言えるだろう。
そして晴子は物語の核となるシーンを生み出した張本人でもある。作品内の湘北高校が行った最終戦である山王工業戦。不動の王者である山王工業に当然の苦戦を強いられる湘北高校だが、残り2分半を切った場面で8点差まで追いついてみせる。しかしそのタイミングで、ミスをしてしまう宮城。このタイミングでのミスは致命的。もうだめかと思われたとき、花道が文字通り身体を張ったプレーで湘北高校の窮地を救った。称賛を浴びるも、背中に違和感を感じる花道。チームを救ったプレーで、背中に怪我を負ってしまっていたのだ。彩子に背中の怪我は選手生命に関わるとまで言われた花道は、とうとうプレー中に倒れ込んでしまう。
花道はおぼろげな意識の中、過去を思い出していた。2万本シュートを打った合宿や晴子に「バスケットは好きですか?」と聞かれたこと。それが全て無になるほどの怪我を抱えてしまった花道。気付けば花道は晴子の前に立っていた。そして晴子に「大好きです 今度は嘘じゃないっす」と告げ、花道はコートへと戻っていくのだった。
晴子と出会った当初は、晴子と近付きたいがために嘘をついた花道。しかし物語の最後、花道は本心でバスケットが大好きだと口にした。この花道がバスケット選手としての成長を見せる名シーンは、晴子の存在無しでは生まれなかっただろう。