YouTube発の「小説」が若者に人気 『なぜ銅の剣までしか売らないんですか?』など話題作続々

YouTube発の「小説」続々刊行へ

 YouTube発、またはYouTuberによる小説が書店を賑わせている。

 ここではそうしたYouTube小説を紹介していこう。

「マンガ動画」ノベライズ

天乃聖樹、もすこんぶ『クラスの大嫌いな女子と結婚することになった。』(MF文庫J)

 20年12月に刊行された天乃聖樹・著、もすこんぶ(イラスト、企画・原案)『クラスの大嫌いな女子と結婚することになった。』(MF文庫J)が初の「マンガ動画」ノベライズだ。また、同年12月には三河ごーすと著、原作フェルミ研究所の『人類滅亡して最後の1人になったら?』(KADOKAWA)、21年1月には三河ごーすと『義妹生活』(MF文庫J)も刊行された。

 マンガ動画とは、チャンネル登録者数215万人のYouTubeチャンネル「フェルミ研究所」がオリジナルのカラーマンガを、セリフに声をあてて制作した動画の演出法を18年に確立して以降、一般化したものだ。

 単行本で刊行された『人類滅亡したら~』はゾンビもの、『クラスの~』と『義妹生活』はラブコメで、いずれもラノベの読者に好意的に受け入れられている。

小学生に人気の「クロネコの部屋」発『ミステリー案内人さんのコワイハナシ』

クロネコの部屋、一夜月夜、天乃聖樹、高橋佐理『ミステリー案内人さんのコワイハナシ』(KADOKAWA)

 小学生に人気のホラーチャンネル「クロネコの部屋」(2018年開設、チャンネル登録者数約43万)から生まれた、原著クロネコの部屋、著・一夜月夜・天乃聖樹・高橋佐理『ミステリー案内人さんのコワイハナシ』(KADOKAWA)シリーズは、20年6月に小説第一弾が刊行された。

 動画では1本数分の短い怪談やホラーが語られ、最初と最後に魔女の格好をした「ミステリー案内人さん」とガイコツの「骨江」の会話が差し挟まれるが、小説でもこのスタイルを踏襲している。

 1編が5分~10分程度で読める短編集は小中高校で実施されている「朝の読書」で人気だが、『ミステリー案内人さん』もその需要を見越して作られている。

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