東海オンエアてつやは「普通の経験」と「普通ではない思考」の持ち主 初エッセイ『天才の根源』で明かした内面とは?

東海オンエアてつやの「普通ではない思考」

 近年、子供たちの憧れる職業ランキングでも常に上位を獲得し続けているYouTuberなどの動画クリエイター。特に奇抜な発想から生まれる企画と、男子高校生の日常のようなメンバーのやり取りが人気の6人組YouTuber「東海オンエア」は、テレビ番組などへの積極的な出演を含め、多角的な活動が常に大きな話題を呼んでいる。チャンネル登録者数は560万人を超え、総再生回数は70億回以上のトップYouTuberの1組だ。

 そんな東海オンエアのリーダーであるてつやが、昨年12月18日に自身初となるエッセイ『天才の根源』(KADOKAWA)を発売した。東海オンエアの中でもとりわけ奇抜な言動が話題となるてつやのエッセイ、さぞかし型破りな内容になっているのではないか、と読み進めると、そこには意外にも「普通」なてつやの内面が記されている。

 例えば、第1章「危うくまともに育つところだった ー性格の根源」では、東海オンエアになる前、少年時代のてつやの記憶が綴られる。そこには些細な出来事をキッカケにした父親との長きに渡る確執や、いじられキャラが祟って当時好きだった女の子を言いふらされた思い出など、「学生あるある」にも近い過去が描かれる。第2章「与えられなかった二物 ー生活の根源」では、動画の公開の締め切りのデッドラインについての考え方が、夏休みの宿題の提出に間に合わない「学生あるある」を引き合いに綴られる。てつやが当時、そして今も「普通の少年・青年」の経験をベースに持っていることが示唆されるのだ。

 「天才の根源」を読んでいて興味深いのは、そんな「普通の経験」をして生まれるてつやの「普通ではない思考」だ。夏休みの宿題をごまかし続け、なんとか踏み倒した経験から、YouTube活動における炎上の回避に生かしたり、同級生に『魔法先生ネギま!』を教わったことをきっかけに、世の中にあるすべての物事について実際に触れないと意見は持てないことに気付いてみたり。何気ない「普通」の経験、選択から彼ならではの意外な発想を経て、その後の人生の糧になるような考えに至っていることが読み取れる。

 思えば東海オンエアの奇天烈な企画も、日常の何気ない経験や出来事、得た知識をベースに生み出されているものが数多い。例えば新しいスムージーを作る動画やコストパフォーマンスの良い飲み物を探す動画は、まさしく日常の風景と奇抜な思考の巧みな掛け合わせから生まれた動画と言えるのではないだろうか。日常から生まれる誰もが共感できるネタと型破りな思考から生まれる非日常性。彼らの人気の秘訣の一端がここから伺える。

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 とはいえてつやの奇抜な側面は思考だけではない。彼の「普通」ではない思考以外の点も「天才の根源」にはしっかりと綴られている。

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