デビュー作が芥川賞候補に 新人作家・木崎みつ子が『コンジュジ』で描いた“輝き”

デビュー作が芥川賞候補に 新人作家・木崎みつ子が『コンジュジ』で描いた“輝き”

 渋谷センター街の入り口にある大盛堂書店で書店員を務める山本亮が、今注目の新人作家の作品をおすすめする連載。2021年第1回目は、芥川賞候補になっている木崎みつ子『コンジュジ』を紹介する。(編集部)

 年末に候補作が発表された第164回芥川賞・直木賞には、個人的にも応援している作家さんが多くノミネートされ売場でも力を入れて陳列している。毎回各賞の候補になると、作品の帯が「直木賞候補作!」とかキャッチーなものに巻き直されるのだけど、その中でも、直木賞候補で香港のアンダーグラウンドを舞台にした小説、長浦京『アンダードッグス』の帯裏面のコメントに本を棚に出す手が止まり、思わずそのまま凝視してしまった。

「2020年手に汗握り小説大賞決定!もう面白すぎて鼻血出そう。」  

『アンダードッグス』裏面のコメントは書店でチェック!(撮影:山本亮)

 「手に汗握り小説大賞」というアイデアの面白さもあるが、鼻血という言葉を使った思い切りの良さにドキッとした。例えば本を読んで「わくわくしました」「涙が止まりませんでした」は使いがちだが、「鼻血が出そう」と書くのは、なかなか出来ることではない。文字通り血が通っているコメントだ。だが実際に、この本に興奮して鼻血を出している書店員を見かけたら、それはそれで尊いので、そっとティッシュを手渡して欲しい。

 ちなみに筆者のコメントも同じ帯に掲載されている。「選ばれてしまった”負け犬“達の想いと行動が、とにかく熱い。今年一番のミステリーだと確信した」。平凡だ。今年は読者が思わず手にとってしまうような、もっと味わい深いコメントを書けるように精進したい。

 さて、今回紹介したい新人作家の作品は、今回の芥川賞候補で、また昨年すばる文学賞を受賞した1月20日に刊行される木崎みつ子『コンジュジ』だ。

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