タイムスリップ、サンゴの精、病が完治……『美味しんぼ』現実離れしたミラクル展開4選
豚肉を食べて肺がんが完治
肺がんで余命半年の宣告を受けた画家、永家。豚肉を50年間断っていたが、余命宣告を受けたので、「美味しい肉を食べさせてほしい」と京極万太郎とともに山岡に頼み込む。
山岡は「天才・岡星の出番」と岡星に調理を依頼し、豚肉料理を食べさせるが「50年の肉断ちの願ほどきにしてはドカンとくるものがない」と不満を口にし、再度頭を悩ませる。そんなとき、富井副部長が社内でスペインのタンゴを踊り狂う様子を見て、スペインの肉を食べさせることを思いついた。
余命半年の永家をスペインに連れて行く山岡夫妻。彼に振る舞ったのは、ハモン・イベリコという最高の豚肉だった。その味を絶賛した永家は「あと半年の私の命、ここで最後の輝きを得ることができました」と礼を言う。
その後は、病に伏せていると思われた永家が、山岡夫妻の前に謎の女性を引き連れて登場。「あれからハモン・イベリコをバリバリ食べ、ワインを飲み、肉をたらふく食べたら、私の生命力が勝ったのか、ガンが消えちまったんだ」とガッツポーズ。さらに「紹介しよう。エカテリーナだ。日本びいきのスペイン人でな、我々結婚したんだ」と、誰もがびっくりする急展開を見せた。(83巻)
現実的に見ると豚肉を食べてガンが消えるという展開は極めて考えにくい。しかし、「そんなことがあったらいいな」と思わせる内容だったのではないだろうか。
奇跡的展開もウリ
リアリティ重視の美味しんぼだが、なかには漫画特有の奇跡的な展開もある。そんな自由度の高い作風が、国民的料理漫画となった要因の1つではないだろうか。