まんきつ、アルコールを手放して見つけた新たな生き方 「気功を習ったら、ちゃんと手から何かが出るようになりました(笑)」

まんきつ、新たな自分との向き合い方

もしものときに、この漫画が役に立てば

――コロナ禍によって身体と心のバランスを崩しがちな方が増えていると聞きますが、こういう傾向が出たら要注意というサインはありますか?

まんきつ:記憶をなくすほどお酒を飲む日が増えてきたら良くないですね。ブラックアウトっていって、それを何回か繰り返すうちに、脳がそれを当たり前のことだと思うようになるんですって。お酒を飲むと必ず記憶をなくすようになってしまう。でも、病院に行くとお酒を禁止されてしまうと思って、わかってはいるけれど病院に行かないっていうお酒好きな方も多いんですよね。

――身体がしんどいのに、飲んでいるというのは?

まんきつ:末期だと思います。それこそ肉体の不快に目を向けることができなくなっている状態ですから。ブラックアウトを繰り返すうちに、お酒の切れ目がなくなってきます。常にアルコールが入っている状態。私も、朝からずっとちびちびちびちびウイスキーを飲んでいたんです。そこまでは、あっという間です。

――もし、身近でそうした飲み方をしている人がいた場合、どんなふうに対応したらいいんでしょうか。 

まんきつ:そこなんですよね。私もそうでしたが、そういう人って絶対自分がアル中だって思ってないので。「うるさい」って怒ったり、ヘタしたら暴れたりとかしてしまうので。どうしたらいいんでしょうね。

――もし、まんきつさんが、あの当時のご自身にお声がけするなら、どうなさるのかなと思いまして。

まんきつ:私の場合はさすがに幻聴が聞こえ出したので、自覚せざるをえなかったんですよね。夜眠ろうとすると、もうワンワンワンワン耳のあたりで音が鳴っていて。壁から手が出てくるような幻覚が見える人もいるそうです。

――ある程度、本人が自覚するまで見守っていくしかないのでしょうか。

まんきつ:でも、本当に助けを求めてきたときに、慌てずに対応するための知識を身につけることはできると思います。あとは、一緒に新しい逃げ場や遊び場を作っていくようにするとか。そのときに私の漫画が役に立てば幸いです。文庫版になって、ペンネームも変わって、いろんな意味で手に取りやすくなったと思うので(笑)。ぜひ身近なものに感じてもらえたら嬉しいです。

■書籍情報
『アル中ワンダーランド』
著者:まんきつ
出版社:扶桑社
定価:本体650円+税

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