『BLEACH』浦原喜助は“運命”に抗い続けるーーチートキャラの生き様が教えてくれたこと
そして、原作単行本73巻。見えざる帝国の精鋭部隊「星十字騎士団」のアスキン・ナックルヴァールとの戦いのシーン。苦戦の末、浦原は最終手段の卍解をし、破面「十刃」のグリムジョー・ジャガージャックと連携をしてアスキンを撃破。その際にこう言っている。
戦いですよ
負けたら死ぬんス
死なない為に
死ぬほど準備することなんて
みんなやってる事でしょう
あらゆる状況を想定し、対策を考えておく。それも常人の考えが及ぶ範囲よりも何倍も広い視野で物事を捉えて備えるのは、どの方向に運命が流れても自分の意志で軌道修正をするという彼の強い信念がゆえだろう。
そんな浦原だからこそ、最後の最後で藍染を鬼道で封したり、多くの仲間を傷つけた難敵・アスキンを倒してしまったり……。何かと「チート」、「いいところを持っていく」と言われるキャラだが、それもこれも浦原が運命に抗い続けてきた結果なのである。
浦原の生死は不明な状態で『BLEACH』は完結となったが、ライトノベライズでは再登場。アスキンに撃たれて最期を迎える運命に抗った、浦原らしい。そんな彼の姿は、読者に「生きるためには死ぬ気で生き続けなければならない」ということを教えてくれたのではないだろうか。