「小説家になろう」発の戦記ファンタジー『亡びの国の征服者』が熱烈に支持される理由

『亡びの国の征服者』が支持される理由

書籍版はまだ1冊しか出ていないからすぐ追いつける

 登場人物たちの関係性を掘り下げて読者が感情移入できる対象を用意したあとで戦争を描き、キャラクターたちの命の重みを感じさせるからこそ、この作品は人に何かを語りたくさせるのだろう。

 幸いにして書籍版はまだ1冊しか出ておらず、追いつくのは簡単だ。なろう版からだいぶ加筆修正されているが、もちろんなろうで読むのもいいだろう。

 決して見通しが明るくない今の社会の空気に合った作品が読みたい人にはおすすめしたい。

■飯田一史
取材・調査・執筆業。出版社にてカルチャー誌、小説の編集者を経て独立。コンテンツビジネスや出版産業、ネット文化、最近は児童書市場や読書推進施策に関心がある。著作に『マンガ雑誌は死んだ。で、どうなるの? マンガアプリ以降のマンガビジネス大転換時代』『ウェブ小説の衝撃』など。出版業界紙「新文化」にて「子どもの本が売れる理由 知られざるFACT」(https://www.shinbunka.co.jp/rensai/kodomonohonlog.htm)、小説誌「小説すばる」にウェブ小説時評「書を捨てよ、ウェブへ出よう」連載中。グロービスMBA。 

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