『デビルマン』から『呪術廻戦』へ受け継がれた、ダークヒーローの遺伝子
名作漫画の遺伝子
かつてサバトが行われている部屋の扉を開ける前に、飛鳥了は不動明にこういった。「デーモンと合体し、デーモンの超能力を手に入れ、人間の心をもちつづけることのできる者! それは、デーモンの意志をおさえる強い意志、善良で純粋な心を持ち! 正義を愛する若者でなければならない!」。これは、虎杖悠仁はもちろん、本稿で挙げたほとんどの作品の主人公たちに対してもいえることだろう。そう、デビルマン――いや、不動明の最期は決して明るいものではなかったが、多くの人々を守るために悪魔になることを厭(いと)わなかった彼の遺伝子は、確実にのちのダークヒーローたちに受け継がれているといっても過言ではないのである。
※本稿で引用した漫画のセリフは、読みやすさを優先し、一部句読点を打たせていただきました(筆者)
■島田一志
1969年生まれ。ライター、編集者。『九龍』元編集長。近年では小学館の『漫画家本』シリーズを企画。著書・共著に『ワルの漫画術』『漫画家、映画を語る。』『マンガの現在地!』などがある。https://twitter.com/kazzshi69
■書籍情報
『呪術廻戦(11)』
芥見下々 著
発売日:2020年6月4日発売
価格:本体440円+税
公式サイト