高見沢俊彦、宮野真守、つるの剛士らがウルトラマンゼロ15周年を祝福 熱いステージで確かめ合った“絆の美しさ”

ウルトラマンゼロ15周年ライブレポ

宮野真守、“ゼロから授かったもの”を込めた渾身のステージ

 この日、誰よりも気合いが入っていたのは宮野真守だ。ゼロを演じ続けて15年、まさに一心同体となっている宮野が自ら作詞した楽曲を聴くことで、ゼロの感情そのものに触れられたような気がした。「DREAM FIGHTER」(『ウルトラマン列伝』主題歌)には、戦うことの本当の意味を知って一人前のウルトラマンになっていくゼロの心境が描かれており、ラップも交えた変幻自在な宮野の歌唱が、まるでルナミラクルゼロのようにクールに響いてきて気持ちいい。

宮野真守

 さらに宮野は、奇しくも“3月11日”にライブが行われていることや、コロナ禍の出来事に触れながら、「エンタメの力じゃどうにもならないって無力を感じた時でも、ウルトラマンなら声を届けられる、勇気を与えられることに気づいた」と語り、力を合わせて難局を乗り越えていこうと訴えかける「ZERO to INFINITY」(『ウルトラギャラクシーファイト 大いなる陰謀』主題歌)を歌唱。何度振り出しに押し戻されようとも、諦めずに未来を切り拓いていくゼロやウルトラ兄弟の絆を歌った力強い楽曲だ。この曲ではステージにゼロが登場し、〈この手を取って〉のパートで宮野と固い握手を交わす感動的なシーンも。歌い切った宮野は思わず、ゼロの名言「ブラックホールが吹き荒れるぜ!」を渾身の生声で叫んだ。

 盛りだくさんのライブ本編は「ウルトラマン組曲『サーガ』」で壮大に締め括られ、「ZEROの掟」のパートでは、ゼロが起こした奇跡の象徴でもあるウルトラマンサーガがステージに降臨した。そして、アンコールでは2度目の演奏となった「ゼロの覚醒」のほか、「Final Wars!」(『ウルトラマン列伝』主題歌)と「ウルトラセブンの歌」(『ウルトラセブン』主題歌)を出演者全員で歌唱。ラストにはゼロとセブンが並んで登場し、“父”が“息子”の晴れ舞台を盛大に祝福したところでライブは幕を下ろした。終演後には9月の『ULTRAMAN MUSIC LIVE ~ウルトラマン魂2025~』開催も告知され、ラインナップの追加発表にも大いに期待がかかる。

 加速度的に時代が進む中で、世界が広がっていく感覚が増している昨今。そこで求められるのは、広がった先にある世界を正しく理解するとともに、自分の側にいる人をより大切にすることなのかもしれない。ウルトラマンゼロもまた、広がり続ける宇宙を旅し、たくさんの人と手を繋ぎながら、次元を超えた絆を結んできた。それは光の国やウルトラ兄弟という大切なファミリーがあるからこそ、できた決断でもあるだろう。ゼロの冒険が続く限り、人類の未来の可能性もますます広がり続けていくに違いない。

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