THE ALFEEの勢いはこのまま続く予感しかない 日本武道館で華々しく見せつけたキャリア50年のパワー

THE ALFEE、102回目の日本武道館公演レポ

 多くのイベントやテレビ出演などをこなし、デビュー50周年を駆け抜けてきたTHE ALFEE。それらと並行して春と秋の全国コンサートツアー、夏のイベントを通常通り行い、たどり着いた恒例の冬のライブ『THE ALFEE 50 th Anniversary 冬の祭典』東京・日本武道館公演2days 1日目の12月23日。年々入手困難になっていくチケットを運よくゲットできた会場の北東、北西の最後列までギッシリと埋め尽くされた客席は、期待と興奮ともいえる熱気で包まれていた。(写真は12月24日公演)

『THE ALFEE 50 th Anniversary 冬の祭典 WINTER CARNIVAL』ライブ写真

 客電が落ち、古希を祝うカラーであるパープルに照らされたステージに、巨大な「50」の文字が浮かび上がる。そして虹色に輝く照明に煙が上がる中、ステージ中央の扉が開き、高見沢俊彦(Vo/Gt)、坂崎幸之助(Vo/Gt/Per)、桜井 賢(Vo/Ba)が登場。歓声と拍手にあふれる会場にオープニングナンバーとして放たれたのは、2024年にリリースされたDouble A-Sideシングル「KO. DA. MA.」。夏のイベント、秋のツアーと演奏され続けてきたナンバーなだけに、この日の演奏は力強さもまとまりも一段と増していた。コンサートでの披露を重ねて曲を真の意味で完成させていく、ライブバンドだからこそできることだ。

  ドラムロールが鳴り、高見沢が人差し指を高く掲げて始まったのは「FLOWER REVOLUTION」。いつからか観客が曲に合わせて両拳を交互に上げるようになったのだが、こんなふうにファンからの発信で曲が成長していくのもライブバンドならではだろう。続いてDouble A-Sideシングルのもう一方「ロマンスが舞い降りて来た夜」へ。星屑のように降り注ぐ照明の中、モータウンビートの軽快なナンバーで盛り上げる。

『THE ALFEE 50 th Anniversary 冬の祭典 WINTER CARNIVAL』ライブ写真
高見沢俊彦

 冒頭3曲の演奏ですっかりあたたまった場内に、坂崎が「毎年恒例、クリスマス武道館イブイブライブ。ステージで動きまわる50年目のTHE ALFEEを楽しんでください」とあいさつ。その後に披露されたのは、少し久々のあたたかく希望にあふれたナンバー「希望の鐘が鳴る朝に」、インストゥルメンタルナンバー「Black Doctor」から、2003年にリリースされたアルバム『Going My Way』のオープニング曲「I Love You」へ。スピーディーなポップメロディーに合わせて拳を上げ続ける観客。それに負けじと、飛び跳ねながらギターを弾き歌う高見沢のスタミナには毎回驚く。美しいピアノが流れ、高見沢のエンジェルギターが光輝き、41年ぶりに出場する『第75回NHK紅白歌合戦』で演奏することがこの日の昼に発表された「星空のディスタンス」へ。星空のように照明が瞬く中、マイクスタンドが据えられた中央にメインボーカルを取る桜井が、上手に坂崎、下手に高見沢が移動し、誰もが知るこのナンバーをさらに盛り上げる。

 高見沢、桜井が一旦を去ったステージに坂崎が残り、客席に着席を促しつつしばしトーク。「一番働く70歳」と自認する50周年の多忙な活動を振り返ったり、恒例の「初めてTHE ALFEEのコンサートに参加した人は?」と挙手によるアンケートを実施したり。この日もかなりの数の初参加者がいることに、場内にざわめきが起こる。高見沢、桜井が戻りメンバー紹介、桜井営業部長によるグッズ紹介コーナーと恒例の流れを経て、ステージが再開。高見沢と坂崎がそろってマーチンギターの最高峰「D-45」を持ち、桜井はベースを持たずに「Just Like America」へ。2人のギターの音色は冴え冴えと美しく、手持ち無沙汰な桜井が隣でふざけて密かに髭ダンスを踊っていたりするのも楽しい。続くはこの季節にぴったりでファンからの人気も高いシングル「1月の雨を忘れない」「恋人達のペイヴメント」へと続き、観客をロマンティックなムードへ誘う。

『THE ALFEE 50 th Anniversary 冬の祭典 WINTER CARNIVAL』ライブ写真
坂崎幸之助

 坂崎、桜井が一旦ステージを去り、残った高見沢がMCを担当。1980年代の音楽番組の出演時のエピソードや年末の『NHK紅白歌合戦』に関するトーク、そして話題は今までに提供してきた数々のアニメーションのタイアップ曲の話題へ。ステージに戻ってきた坂崎、桜井と共に『レンズマン』『ドラえもん』『モンナタ・ジョーンズ』『シンカリオン』などそのタイトルを並べていくと、客席のあちこちから『タッチ』『金田一少年の事件簿』など作品名を上げる声が聞こえてくる。この日のために選ばれた曲は、先日THE ALFEEが出演したNHKの音楽番組「SONGS」で、司会の大泉 洋が好きなナンバーだという東映アニメ映画『銀河鉄道999 エターナル・ファンタジー』主題歌「Brave Love~Galaxy Express 999」。冬の定番曲となりそうな「Orionからの招待状」、夏の『50周年記念セレモニー&スペシャルコンサート』ではオーケストラと共に演奏された「組曲:時の方舟」と、ロマンを感じさせるファンタジックなナンバーが続き、本編ラストへと向かっていく。THE ALFEEの前身バンド、コンフィデンス結成のきっかけにもなったというサイモン&ガーファンクルの「Homeward Bound」から、その曲名が歌詞にも登場する「はじまりの詩」へ。今日から明日、その先の未来へ向けて、歌い続ける意志を表明したこの曲で幕を閉じた。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる