JO1の新境地「BE CLASSIC」から紐解く“クラシック”との化学反応 名曲をサンプリングする意義と可能性
CD Chart Focus
参考:https://www.oricon.co.jp/rank/ja/w/2025-04-14/
4月14日付(4月8日発表)のオリコン週間アルバムランキングによると、JO1の『BE CLASSIC』が推定売上枚数290,262枚で1位を記録。以降、Lienelの『罪と罰』が36,518枚で2位、サザンオールスターズの『THANK YOU SO MUCH』が17,324枚で3位と続いた。
今回取り上げるのは、1位のJO1『BE CLASSIC』。本作はJO1初のベストアルバムで、ファン投票で1位となった楽曲も収録されている。曲はEDMを軸としつつサウンドもスタイルもバラエティ豊かで、現代の最新のダンスポップを楽しむには持ってこいの1枚だ。
中でも耳を奪われるのは、先行配信されたタイトル曲の新曲「BE CLASSIC」である。ベートーヴェンの「交響曲第5番」ハ短調、通称「運命」を大胆にサンプリングしたこの曲は、現代的なトラップ系のビートと、誰もが耳にしたことのある「運命」のメロディが絡み合った斬新な楽曲。新旧の音楽が融合した挑戦的な作品となっている。
こうしたクラシックの名曲をサンプリングしたダンスミュージックは、近年の音楽シーンに目立つようになった。たとえば、ヴィヴァルディの「四季」から第1番「春」をサンプリングしたなにわ男子「NEW CLASSIC」は、「春」の流麗なストリングスのメロディが鳴り響くことで楽曲に優雅な雰囲気が生まれていた。また、モーツァルトの「交響曲第25番」ト短調をサンプリングしたSnow Man「EMPIRE」は、全体的に聴き手を圧倒するような荘厳さを感じ取れる。
J-POP以外では、坂本龍一の「戦場のメリークリスマス」をサンプリングしたIVEとデヴィッド·ゲッタのコラボ曲「Supernova Love」も印象的だった。いずれの楽曲もインパクトや意外性の面で共通し、一聴しただけで記憶に深くこびりつくような強い力を感じる。