AKASAKI、Billyrrom、ブランデー戦記、reina、レトロリロンによる渾身のライブ 『Early Noise Night #17』レポート
ブランデー戦記

大阪発の3ピースバンド・ブランデー戦記は、ドラムの前で3人で拳を突き合わせた後、「悪夢のような」からライブをスタート。ドリーミーなシンセサウンドによって幽玄な空間が広がっていき、その中をたゆたうように響く蓮月(Vo/Gt)の歌の美しさに深く引き込まれる。と思いきや、視界の全てを塗り替えるような鮮烈なギターソロが轟き、その後も、鉄壁のトライアングルによる渾身のロックンロールチューンが次々と披露されていく。美しく磨き込まれた流麗なバンドサウンドに惚れ惚れする一方で、熱きロックバイブスが獰猛に昂る瞬間が度々訪れるから油断ならない。中盤では、この日リリースされた新曲「The End of the F***ing World」をライブ初披露。軽やかさ、たおやかさを感じさせる曲調ではあるが、全編に深い激情が滲んでいて、エッジーなバンドサウンドが容赦なく牙を剥く後半の展開を含め、非常にスリリングな名演だった。ラストは、「ラストライブ」「ストックホルムの箱」の2連打。まるでロックの本質だけを極限まで突き詰めたかのような、清々しさをも感じさせるアクトだった。



■セットリスト
M1. 悪夢のような
M2. Musica
M3. coming-of-age story
M4. The End of the F***ing World
M5. ラストライブ
M6. ストックホルムの箱
レトロリロン

この日最後のスロットを任されたのは、ジャンルレスなプレイが魅力のポップスバンド・レトロリロン。その役割を全うする宣言のように「ヘッドライナー」からライブをスタート。4人のサウンドが分かちがたく結び付くことによって生まれる豊潤なバンドアンサンブルを推進力にしながら、涼音(Vo/Ag)は、台の上に立ち、フロアの前方、後方、2階にそれぞれ呼びかけながら、次々とハンズクラップやコール&レスポンスを起こしていく。リズム隊とキーボードの綿密なコンビネーションによって、一貫して厚く深みのあるサウンドが鳴りわたり、また、涼音の歌は、J-POPの王道を闊歩するような堂々たる響きを放っていて、何度も胸が高鳴った。アンコールでは、最後まで残ってくれた観客に対して「レトロリロンと友達になって帰ってくれますか!」と呼びかけ、「TOMODACHI」を披露。すべての観客を優しく巻き込みながらアウトロで壮大なシンガロングを巻き起こし、この日のイベントは晴れやかな大団円を迎えた。



■セットリスト
M1. ヘッドライナー
M2. ワンタイムエピローグ
M3. DND
M4. カテゴライズ
M5. アンバランスブレンド
EN. TOMODACHI

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