AKASAKI、Billyrrom、ブランデー戦記、reina、レトロリロンによる渾身のライブ 『Early Noise Night #17』レポート
Spotifyが躍進を期待する次世代アーティストをサポートするプログラム「RADAR: Early Noise」。このプログラムと連携したライブイベント『Early Noise Night #17』が、3月19日、Spotify O-EASTにて開催された。今回は、年明けに発表された「RADAR: Early Noise 2025」選出アーティストの中から、AKASAKI、Billyrrom、ブランデー戦記、reina、レトロリロンの5組が出演。どのアーティストも、大きな期待と注目を堂々と引き受け、この日集まった観客に向けて渾身のライブを披露した。この記事では、それぞれのライブの模様をレポートしていく。
reina

6人編成のバンドメンバーによる切実なブルースを感じさせるセッションの後、温かな拍手を受けながらステージインしたのは、クリエイティブレーベル・w.a.uのR&Bシンガー、reina。1曲目は「Dogs」。シルクのように流麗なバンドサウンドを軽やかに乗りこなしながら、一つひとつの言葉を丁寧に歌い届けていく。たおやかで、しなやかな響きを放つ歌声でありながら、その奥に揺るぎない芯をたしかに感じさせる。その後も、広大な音の海を、時に優雅にたゆたうように、時に自由に泳ぐようにしながら「Good to me」「my apologiesss」と歌い繋いでいき、「しっかり踊れる曲も用意してますので」という前置きを経て届けられた「Do The Thing」では、身体全体でリズムを感じ取りながら、豊かなダンスフィーリングを会場全体に共有。「Youth」ではフィーチャリングゲスト・Skaaiとの共演が実現し、それぞれのフロウが音の海の中で一つに溶け合う展開に会場中が強く引き込まれた。ラストは「A Million More」。高らかなファルセットを駆使したフェイクに言葉にならない想いを託し、トップバッターのステージを終えた。



■セットリスト
M1. Intro
M2. Dogs
M3. Good to me
M4. my apologiesss
M5. Do The Thing
M6. Burn
M7. Youth
M8. A Million More
Billyrrom

次世代ポップミュージックを創出する6人組バンド・Billyrromは、その曲名のとおり、壮大なSFの世界を想起させるダイナミックなスケールのロックナンバー「DUNE」から幕開け。力強く躍動するバンドサウンドを背で受け、Mol(Vo)が両手を勢いよく左右に広げた瞬間、スクリーンに大々的にバンド名が映し出されると、勇壮な響きを放つ歌に合わせ、フロアから無数の拳が上がる。なんてドラマチックなオープニングだろう。続いて、「自由に踊れよ!」という呼びかけと共に「Once Upon a Night」へ。その後も、各メンバーの多様なルーツを反映した楽曲が次々と放たれる展開が続く。ソウル、ファンク、ロックをはじめとした様々なジャンルの要素をミクスチャーしつつ、既存の言葉によるジャンル分けを不敵に拒むような未知の響きを放つ“トーキョー・トランジション・ソウル”に何度も圧倒された。ラストの「Time is Over」では、「お手を拝借!」という呼びかけを受け、会場全体からハンズクラップが巻き起こり、一体感と高揚感に満ちた圧巻のクライマックスを迎えた。



■セットリスト
M1. DUNE
M2. Once Upon a Night
M3. Soulbloom
M4. Apollo
M5. Time is Over
AKASAKI

「元気ですか?」「今夜は最高の夜にしよう、さぁ、いくぞ!」そう力強く呼びかけた18歳の高校生シンガーソングライター・AKASAKIは、1曲目の「弾きこもり」から、さっそく会場中でハンズクラップを巻き起こす。「踊れ、渋谷!」というアジテーションと共に披露された「ルーツ」では、自ら拳を何度も突き上げながら、観客とのライブコミュニケーションを重ねていった。ライブ経験がほとんどないはずなのに、そうとは全く思えないような堂々たる姿に頼もしさを感じた。MCでは、「留年回避して卒業しました!」という言葉に温かな拍手が送られる一幕も。ライブ当日リリースされたばかりの最新曲「爆速論理ness」の激烈なロックアクトも最高だった。最後のMCでは、「僕はSpotifyに人生を変えてもらったと言っても過言ではないので」と語り、これからも毎月新曲をリリースしていくと宣言。「夏実」を経て、ラストには彼の人生を大きく変えた代表曲「Bunny Girl」をドロップ。AKASAKIは「楽しいね!」と告げ、熱い手拍子と歓声が飛び交うフロアを後にした。その時の歓びに満ちた表情が忘れられない。



■セットリスト
M1. 弾きこもり
M2. ルーツ
M3. 爆速論理ness
M4. 徘徊
M5. 夏実
M6. Bunny Girl