ミルキィホームズ、ファンに愛され続けた理由は“安定感”にあり 『みるみるミルキィ』から考察
『みるみるミルキィ』では、ミルキィホームズのファンである“ミルキアン”を増やすべく、スタジオトークやロケ企画を通じて、メンバーが様々な企画に挑戦。ここでは、オンエア第3回と第11回の模様を振り返っていく。
第3回では佐々木と橘田が、TVアニメの“聖地”にあたる横浜・山下公園に飛び出し、番組宣伝のビラとステッカー配りを実施。序盤、幼い姉妹にビラを渡そうとするも、全く相手にされず。続けて橘田が、通りすがりの男性に有無を言わせずステッカーを貼り付けるなど、後に同番組で恒例となる凶行に走る。終盤には、佐々木が幼児にビラを手渡そうと健気に奮闘する一方、橘田は側から見守り、最後には佐々木のことを忘れて、散歩中の子犬と戯れる。橘田が企画冒頭に放った「やっぱりエリーがやらないと、私は近くで警備しておくから」という言葉どおり、押しの強い橘田が演じるコーデリアと、気弱な佐々木のエルキュールという、アニメキャラクターたちに似た構図を捉えることができた。
また第11回では、『ミルキィホームズ 地方巡業シリーズ「オーバードライブ!」』福岡公演と、その前日にメンバー全員で、同市内の博多もつ鍋店を訪れた模様を放送。ここでも入店するやいなや、橘田が店員のユニフォームにステッカーを押し付ける。それを皮切りに、三森と徳井も我が物顔でステッカーを壁に貼り、終いには佐々木も乗り気で便乗。また、もつ鍋が配膳された後には、徳井と佐々木がそれぞれ父親と母親のように振る舞う、オリジナル設定の小芝居を展開。ここではメンバー全員がボケに徹する、オンエア第3回で見たものと異なる関係性を目撃できた。
このほかにも、同番組ではメンバーが手巻き寿司を作る模様など、少し誤れば平凡な“女子会”にもなりかねない映像をオンエアしてきた。また、橘田は先述の博多もつ鍋店でステッカーを貼りつけた際、「大人だから分かってやっているから」と自信げに述べている。それらを踏まえるに、『みるみるミルキィ』がバラエティとして高い評価を得たのは、メンバー全員が芸達者かつ、状況把握能力に長けていたからだろう。
そんな彼女たちはオンエア第3回でも確認できたように、あくまでアニメから半独立した存在ながらも、それぞれキャラクターごとの性格などを放棄してはいないようだ。ミルキィホームズのやり取りに“安定感”を覚える理由は、彼女たちの掛け合いを通じて、キャラクターたちの関係性も感じられるからなのだろう。そんなミルキィホームズの8人が共有する“繋がり”を印象付けられるのも、メンバーがキャラクターに対して深い“愛情”を注いでいるからなのかもしれない。
そんなミルキィホームズは来年1月28日、東京・日本武道館でのファイナルライブをもって、10年間の活動に幕を閉じる。交わした約束が露となるように、彼女たちの織りなす居心地の良さを楽しめなくなると思うと、どうしても寂しくなってしまう。残り少ないミルキィホームズとの時間を、“最後の最後の瞬間”まで楽しみたい。
(文=青木皓太)