アニメ『ジョジョ』と洋楽の深い関係ーーサヴェージ・ガーデンが新EDに起用された背景を探る
4月1日よりTOKYO MXにて放送を開始したTVアニメ『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない』のエンディングテーマが、サヴェージ・ガーデンの「I Want You」に決定。4月9日放送の第2話よりオンエアされた。
漫画『ジョジョの奇妙な冒険』は、1986年から『週刊少年ジャンプ』にて連載されている荒木飛呂彦氏の代表作。同作は、第1部、第2部……と複数の部に分かれており、主人公、舞台を変えながら30年以上も続いている。現在も、『ウルトラジャンプ』にて『ジョジョリオン』として連載中であり、総巻数はじつに116巻にものぼる。(2016年4月現在)
同作は、特徴的なセリフの言い回しや擬音、「ジョジョ立ち」と呼ばれる登場人物の独特なポージングなどのほか、荒木氏の趣味が高じ、登場キャラクターに洋楽のバンド名や作品、曲名などが多いことも魅力のひとつだ。例えば、第3部の主人公・空条承太郎の宿敵でありラスボスであるDIOはヘヴィメタル・バンドのDIOから命名している。ほかにも、第5部に登場する「セックス・ピストルズ」、最新部の「ジョジョリオン」にはレディー・ガガの楽曲から命名したとされる「ボーン・ディス・ウェイ」なども存在している。
そんな洋楽好きの荒木氏の作品ジョジョが初めてTVアニメ化されたのは、2012年10月のこと。第1部、第2部のエンディングテーマに、イギリスのプログレッシヴ・ロックバンド、Yesの「ROUNDABOUT」が起用されると、放送開始後、iTunes Storeでは同曲が「トップロックソング」ランキング11位、音楽配信サイトのmoraでは1月31日に洋楽リアルタイムランキングで1位を獲得した。また、「ROUNDABOUT」を収録したYESのアルバム『こわれもの(Fragile)』は、TVアニメのオンエアが始まった10月から1月末までのセールスが、通常時の約20倍を記録したという。Yesの「ROUNDABOUT」は、8分36秒と長尺曲であることから、アニメのストーリー展開に合わせて、異なる部分がオンエアされる趣向だった。第1部終了の10話では通常よりロングバージョンだったほか、第1部までの右から左へスクロールしていきクロージングするシーンから、下から上へスクロールする第2部でのエンディングの描写に流れるように繋がれる特殊なシーンもあった。