白洲迅の存在が物語のキーとなる? 『君が心をくれたから』永野芽郁を支える重要な役割

『君が心をくれたから』白洲迅の存在が鍵に

 白洲には“ほっとけない”魅力があり、どんな役を演じていても、つい目が吸い寄せられてしまう俳優だ。きちんとしたしっかり者から、うっかりさんな可愛らしい一面まで、どんな芝居でもどこか惹きつけられてしまう。そうした中で、『君が心をくれたから』での爽やかな好青年ぶりは、まさに白洲の王道の魅力を味わっている気持ちになる。

 本作での司は、優しく、真っ直ぐに雨を想う。包み込むような眼差しや、そっと手を差し伸べてくれる頼もしさがあることから、司が登場するとついホッとしてしまう。太陽に嫌われるために、わざわざ司と恋仲になるふりをする雨を受け入れる包容力の高さ。それでいて最後には、太陽と観覧車に乗るべきと雨の背中を押すなど、司もまた涙が溢れそうなほど心優しい人物なのだ。“過酷な奇跡”が進行するごとに、雨にはできないことが増え、言えないことが増えていく。そんな中で、雨にとって唯一弱みを見せられる司は重要な役割を担うだろう。好きな人だからこそ言えない気持ちがある。そんな誰もが経験したことがある繊細なシチュエーションで、雨を支えてくれるのが司なのだ。

 日下(斎藤工)の「五感を失ったあと、あなたは24時間365日介護が必要になるでしょう。そのときどうするのか、今のうちに考えておくべきです」という、あまりにずっしり響く言葉に、今後の展開も甘いものばかりでないことが予想される本作。それでも雨と太陽、そして司が優しく紡ぐ思いやりと愛の輪は、じんわりと『君が心をくれたから』の世界を彩ってくれるだろう。まるで雫に滲む水彩絵の具のような優しいドラマを、最後まで見守りたい。

■放送情報
『君が心をくれたから』
フジテレビ系にて、毎週月曜21:00~21:54放送
出演:永野芽郁、山田裕貴、斎藤工、松本若菜、白洲迅、出口夏希、真飛聖、遠藤憲一、余貴美子
脚本:宇山佳佑
主題歌:宇多田ヒカル
演出:松山博昭
プロデュース:草ヶ谷大輔
©︎フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/kimikoko/
公式X(旧Twitter):https://twitter.com/kimikoko_fujitv
公式Instagram:https://www.instagram.com/kimikoko_fujitv

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