『舞いあがれ!』はひと時の安らぎを感じさせる朝ドラに 第1週で描かれた心の問題
10月3日より、第107作目となる連続テレビ小説『舞いあがれ!』(NHK総合)が放送を開始した。本作は、主人公・舞の幼少期を浅田芭路が、大人時代を福原遥が演じる。脇を固める永作博美、高畑淳子などのベテラン勢に加え、赤楚衛二、目黒蓮(Snow Man)など注目の若手キャストの出演も予定され、期待を集めている。ヒロインの舞(浅田芭路)が東大阪の実家から五島列島の祖母の家へと移り住み、自身の“心”と向き合うことになるきっかけを描いた、第1週の「お母ちゃんとわたし」を振り返っていきたい。
小学3年生の舞は、2年生の秋ごろからよく熱を出すようになる。病院で検査をするも、原因は不明のまま。始業式早々、学校を休んだことから、新しいクラスにもなかなか馴染めずにいた。望んでいた飼育係にはなったものの、脱走したうさぎのスミちゃんを捕まえようと走ったことでまた熱を出してしまうなど、舞にとっても悔しい出来事が続く。一方で、舞の母親のめぐみ(永作博美)は夫・浩太(高橋克典)が経営するねじ工場の仕事を手伝いながら、舞の体の心配にも気を配る日々が続き、すっかり疲弊していた。見かねた浩太はめぐみに、実家で舞と共にのんびりしてはどうかと持ちかける。
これをきっかけに、めぐみと舞は実家のある五島列島へ。しかしめぐみと、その母親の祥子(高畑淳子)との間には何やら確執がある様子。どうやら過去にめぐみが大学を中退して駆け落ちしたことが原因のようだ。だがギクシャクとしていた2人も徐々に会話を取り戻していく。
島での生活は、舞にとって新鮮なことばかり。五島列島の方言、近所の住人が入れ替わり立ち替わり家を訪れること、生きたタコを触る体験、1年生と3年生が一緒に授業を受ける少人数のクラス、校外学習で海に行くこと。だが舞は島でも熱を出し、診療所の先生からストレスからくる“心”の問題が原因ではと告げられる。医師が舞にストレスがあるのではと話したことと同様に、祥子もまた、舞が自分の気持ちを素直に話せないことを案じていた。心配がこうじて先回りをしてしまう母のめぐみを東大阪に戻し、舞が一人でゆっくり過ごすことを提案するのであった。
伸び伸びとした島の風土、暖かい人々との交流が懐かしい気持ちにさせてくれる。せわしない日常を忘れ、自らの“心”を取り戻していくかのような島での生活は、デジタル社会にもまれて忙しく過ごす私たちにもほんのひと時の安らぎを感じさせてくれる。