『ガンニバル』“大悟”柳楽優弥がついに本領発揮! シーズン2で存在感を増す後藤家の面々

3月26日に配信がスタートしたディズニープラス スター オリジナルシリーズ『ガンニバル』シーズン2の第3話と第4話で、ようやく本作の主人公である大悟(柳楽優弥)が本領を発揮する。第1話では“あの人”と洞窟で遭遇し、暗い森のなかでチェイスを繰り広げた後、宗近(田中俊介)によって助けだされた大悟。そこで彼は、奉納祭でいけにえとして捧げられる子どもたちを助けるよう頼まれる。その居場所を教えてくれたのは、他でもない後藤家の当主・恵介(笠松将)であった。
第2話で描かれた後藤家と警官隊の壮絶な“戦争”は、大悟たちによる救出作戦から後藤家の注意を逸らすための策のひとつであった。しかしながらそれが成功だったのか、失敗だったのかといえば、限りなく後者に近い。警官隊たちは全滅し、異変に気が付いた後藤家の連中は、まさに救出作戦が遂行されている場所へと向かっていく。このまま大悟vs後藤家の戦いへと発展することは自明であろう。
多勢の警官隊でも“あの人”の前では打つ手なしだったが、“あの人”がいないところであれば、大悟ひとりでも充分に戦える。むしろその見事な立ち回りは、アクション映画の定石である“どんなピンチでも絶対に死なない”と安心して観ていられる主人公そのものだ。戦闘がひと段落したところで突如としてパトカーごと突っ込んでくる理(中島歩)。まるで『ダークナイト』のジョーカーのようなインパクト大の登場を果たし、大悟と互角にぶつかり合う。結果的に封じ込められてしまうわけだが、このしぶとさは他の後藤家の面々とは一味違う。これは手強い敵となることだろう。
さて、このシーズン2に入ってから後藤家の面々が軒並み存在感を増しているが、第3話の序盤の一連でひときわ目立っているのは、やはり恵介の弟・洋介(杉田雷麟)である。当主の弟という、後藤家のなかでも極めて重要な位置にいる彼は、シーズン1の際にいけにえとなる子どもたちの世話係を任されたことで情が移り、この奉納祭という忌まわしい因習への強い疑念を抱くようになる。
すでにそれを変えるために動きはじめている恵介が、当主という立場上、その苦悩や葛藤をなかなか表に出すことができない一方で、洋介は違う。誰にも死んでほしくないという、切実な願いをもって仲間――というよりも、血縁者である後藤家の面々に対して銃口を向ける。旧態依然としたムラ社会のなかで、唯一まっとうな考えを持つ若者といった立ち位置は、このドラマにおいては単なる“裏切り者”ではなく、場合によっては命の危険に晒される立場であるという点は胸に留めておきたい。そしてなにより、洋介の行動が恵介の葛藤を強くさせ、村を変えようとすることの重要な原動力のひとつとなるはずだ。