『舞いあがれ!』哀川翔、長濱ねるら地元出身キャストが登場 母娘の葛藤をどう描く?

『舞いあがれ!』母娘の葛藤をどう描く?

 舞(浅田芭路)の五島列島での暮らしがはじまった。『舞いあがれ!』(NHK総合)第4話で、祥子(高畑淳子)の家に落ち着いた舞とめぐみ(永作博美)の元に、五島の人々が次々とやってくる。

 前話で役場職員の信吾(鈴木浩介)と息子の一太(野原壱太)が登場したが、第4話で才津家を訪れたのは船大工の木戸(哀川翔)。頼まれていたいけすの蓋を持ってきたついでに、冷蔵庫のイチゴをつまんで頬を緩める。祥子が大鍋で煮ていたのはジャムだが、既視感のある光景に、赤褐色の中身があんこに見えた人も多かったと思われる。

 木戸は柱の陰からじっと見ている舞に気付く。「出てこいね」と祥子に手招きされ、おずおずと進み出る舞。そこにさくら(長濱ねる)がバケツを持って入ってくる。長崎出身、3歳から7歳までを五島で過ごした長濱の朝ドラ第一声は「祥子さん、タコ持ってきたよ!」だった。五島を「ホーム」と呼ぶ長濱だけでなく、診療所の谷医師に佐世保出身の前川清、哀川が鹿児島、鈴木が福岡と、今作には九州出身のキャストが顔をそろえており、ローカリティを重視する姿勢が伝わってくる。

 島民と話す時の祥子は柔和な表情で、日頃から家族同然の付き合いをしているようだ。それに対して、15年ぶりに同居するめぐみと祥子の間にはぎこちない空気が流れる。その遠因がめぐみと浩太(高橋克典)の駆け落ちにあることは察せられるが、母娘の溝が如実に感じられたのは、舞の校外学習をめぐる一連のやり取りだった。

 校外学習のプリントを見せながら楽しそうに話す舞に、祥子は目を細めてお弁当や長靴の準備を一緒に考える。めぐみはというと、舞が学校になじめたことに安堵しつつも「磯は初めてやろ。大丈夫?」と娘を心配する。めぐみの言葉を受けて、舞は「やめといた方がいいかな」と目を伏せ、参加を諦める。その様子をじっと見ていた祥子が、舞に声をかけた。

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