千葉雄大と哀川翔が意識する、“ひとつずつ”物事をこなすこと 「やったら終わりではない」
世界的に有名なビアトリクス・ポター原作の絵本をハリウッドで初めて実写化し、全世界興行収入が約386億円を超える大ヒットを記録した、2018年の映画『ピーターラビット』。その続編となる『ピーターラビット2/バーナバスの誘惑』が6月25日より公開中だ。
前作で和解したかに見えたピーターとマグレガーだったが、父親気取りのマグレガーに叱られ続ける日々に嫌気がさしたピーターは、湖水地方を飛び出し大都会へ家出してしまう。そこでピーターが出会ったのは、ピーターの父親の親友だったと語るバーナバス。しかし、バーナバスは人間に恨みを抱く“ワル”だった。ピーターはそんな彼から“ワル”としての生き方を教わることになる……。
日本語吹替版では、前作から引き続き千葉雄大がピーターの声を担当。そして今作で新たに登場するバーナバスの声を、吹き替え声優初挑戦の哀川翔が務めた。そんな千葉と哀川の2人にインタビューを行い、映画のテーマや役作り、お互いの印象について語ってもらった。
千葉雄大の声は前作より低くなった!?
ーー千葉さんは前作『ピーターラビット』に続きピーターの声を担当されています。続編が決まったときの心境は?
千葉雄大(以下、千葉):いち観客としても大好きな作品だったので、純粋に楽しみでしたし、降板させられないでよかったな、続投できてよかったなと思いました(笑)。
哀川翔(以下、哀川):イメージがあるから降板はないと思うけどね(笑)。
千葉:いや、分からないですよ(笑)。なのでうれしかったです。前作で僕が演じたピーターは、本国版のジェームズ・コーデンさんとはまた違った毛色になったと思うのですが、多くの方に楽しんでいただけたようでうれしかったです。
ーー数年の期間を経て再び同じ役を演じることになりました。
千葉:一応、前作を見返したりはしたんですけど、基本的に監督からおっしゃっていただいたことに従いながら収録していく感じでしたね。2~3年しか経っていないんですけど、監督から「声低くなりました?」って言われて(笑)。
哀川:成長したってことだよね?(笑)
千葉:だといいんですけど……。もしかしたら声変わりしたかもしれません(笑)。
哀川:まあ、落ち着き感は年齢とともに出てくるからね。俺も、ピーターの声が成長した印象は受けたよ。ピーターも時間が経って成長しているわけだし、それはそれでいいんじゃないかな。
ーー哀川さんは今作からの参加になりますが、意外なことに吹き替え声優を務めること自体が今回初めてなんですね。
哀川:そう? 意外か~(笑)。これまでに何回かそういうチャンスはあったんだけど、スケジュールが合わなくて。だから今回の話はすごくありがたかったね。特に人気作品だし、孫なんかが喜ぶから(笑)。吹き替えに対する不安とかはなかったけど、どういうふうにやろうかなっていうのは多少はありました。
ーーやっぱり映画やドラマで演技をするときとは違うものですか?
哀川:声のトーンに差をつけたり、声だけで表現しないといけないので、やっぱ違いますよね。しかも役柄が長年やってる地下組織のボスということで、“ボス感”をどうしようかなって(笑)。そういう部分の取り組みはありましたね。自分なりのイメージで、ちょっと落ち着いた雰囲気を持たせたり、普段しゃべるよりはちょっと声を落としたり、そういう試みを多少してみました。
ーー千葉さんは『ピーターラビット』以外にも過去に何度か声のお仕事をされていますよね。
千葉:そうですね。でもやっぱり、普通のお芝居よりもさらに“合わせる”作業があるので、自分がやりたいテンポとはまた違ったテンポでやらなければいけないところがありますね。あと、わりと繊細な作業でもあるんですが、声のトーンを1音下がるだけで全然感情が違って聞こえるときもあるので、その辺は結構意識しているかもしれません。……と言いながら、そこまで計算してやっているわけではないんですが(笑)。普段のお芝居と軸としてあるのは変わらない気もしますし、声のお仕事は好きですね。