千葉雄大×伊藤沙莉のさらなる今後にも期待! 『いいね!光源氏くん』“好き”が溢れた最終回

『光源氏くん』“好き”が溢れた最終回

「一緒に歩こうって意味だよ」

 『いいね!光源氏くん し~ずん2』(NHK総合)が6月28日に最終回を迎えた。ゆる~いラブコメディの世界観はそのまま。新たに一条融(一ノ瀬颯)、紫の上(紺野彩夏)という恋のライバルを迎えた『し~ずん2』は、光(千葉雄大)と沙織(伊藤沙莉)が前作で踏み出せなかった「好き」という気持ちを確かめ合うその一歩が描かれていたように思う。

 最終回で紫先生、改め紫式部(壇蜜)から明かされるのは、書いた物語が全て現実になるということ。光が沙織の前に突如現れたのも、後を追うように中将(桐山漣)がやってきたのも、逆にカイン(神尾楓珠)が平安時代に次元ジャンプしたのも、全て紫式部が書いた物語。だが紫式部は「筆の持つ力は大きいけれど、人の思いはそれをしのぐ」とも伝える。前作のラスト、光が次元ジャンプした後に、現代に戻ってきたのは沙織と約束した夏の花火大会を見たいという思いがあったから。「あなたたちは自分の意志で決めた道を歩んでいるのよ」。この紫式部の言葉は最終回のエピソードを象徴するセリフでもある。

 切手代が足りずに届かなかった沙織宛の文、プロモーション撮影として行った沙織と一条の結婚式……様々な条件が重なり合い光と沙織は互いの思いを確かめ合う。

「つぼみさへ いとしきものを 君笑めば 光こぼれて 花のほころぶ」

 光が詠む歌が示すのは、これから先もずっと隣で笑っていてほしいという思い。沙織は光と手を繋ぎ緑道を歩いていく。手を繋ぐことーーその意味を聞く光に沙織は「一緒に歩こうって意味だよ」と答えた。『し~ずん2』にて立ちはだかるのは、平安貴族が現代で生きるという大きな壁だった。戸籍、収入、生活……実在する男になることでそこにはリアルな問題が降りかかってくる。

「生きるってファンタジーじゃないから」

 沙織が詩織(入山杏奈)に話したその言葉が事態の深刻さを生々しく伝えている。プロポーズしてきた一条と一緒になる選択もきっとあっただろう。不思議と素直になれる思いやりを持った人物。それでも沙織が光を選んだのは様々な壁を乗り越え、これからふさわしい男になると素直な思いを伝えてくれたから。共に生きていく上で予想もつかないようなトラブルは今後もひっきりなしに出てきそうだが、それら全てをひっくるめて一緒に歩いていくということ。

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