『E.T.』が“不朽の名作”と呼ばれる理由 コロナ禍だからこそ感じられる新鮮な響きも

 視聴者からのリクエストで放送作品が決まる『金曜ロードSHOW!』(日本テレビ系)リクエスト企画第3弾で、映画『E.T.』が10月2日に放送される。1982年公開、言わずと知れたスティーヴン・スピルバーグ監督の屈指の名作で、世界中で大ブームを巻き起こしたSFファンタジーだ。10歳の少年エリオット(ヘンリー・トーマス)と、300万光年の彼方からやってきて地球に取り残されてしまった宇宙人E.T.とのピュアで不思議な友情が描かれる。

 公開当時史上最高の興行収入を記録した本作だが、まず当時宇宙人を「侵略者」としてではなく「友人」という共存できる相手として描いた点が新しい。外見はもちろん、育った環境、言葉も全く異なり一見「共通認識」が皆無かに思われる相手と、少年が心を通わせていく。

 シワシワの外見にギョロっと大きな目と、一目見れば忘れられないあまりに特徴的な風貌で、必ずしも万人に好意的に受け入れられる見た目ではないが、少年エリオットやその兄妹と同じく視聴者にとってもE.T.が敵対する存在ではないどころか、興味深く感じられ徐々に愛くるしい存在に思えてくるから不思議だ。子どもの固定概念のない真っ新な感性、直感・嗅覚の良さ、何より旺盛な好奇心で、究極の他者である未確認地球外生命体という存在と共生し理解を深めていく。この2人の融解が相手のことを「知ろう」とする気持ちさえあれば、関心を寄せ合うことができ唯一無二の友人にさえなり得るということを教えてくれている。また「未知との遭遇」時、大人よりも余程子どもの方が柔軟に対応できることが対照的に描かれる。

 さらにE.T.とエリオットは同じことを感じ、シンクロするようになっていくのだが、これもまた一つの理想、我々の願望を見せてくれているように思う。全くの他人が自分と同じ気持ち、感覚を共有してくれる、言葉を交わさずとも自身も目の前の相手の感情が手にとるようにわかる。「自分は一人じゃない」という抜群の安心感、「一人じゃなくて、二人で一つなんだ」という万能感は凄まじいことだろう。「自分を受け入れてくれ、相手も自分を必要としてくれている」という存在がいることによってもたらされる自己肯定感は計り知れない。多感な時期こそ、自分が世界から一人取り残されてしまったかのような疎外感を抱いたり、周囲に味方がいないよう感じられることもあるが、まさにエリオットの心情とE.T.が置かれた状況が重なっており放っておけなかったのかもしれない。

 「君を守ってあげる。一緒に大きくなろう」というエリオットからE.T.に向けられた言葉は、一方的に「保護する側」と「保護される側」という構図ではなく、自分も含めた2人の未来に対して発せられたものだろう。 

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