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『クリード 炎の宿敵』は新たなチャレンジが少ない旧世代のための映画? シリーズの存在価値を考察

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 落ちぶれたボクサーの再起を描いた、シルヴェスター・スタローン脚本、主演作『ロッキー』から始まった、『ロッキー』シリーズは全6作。その後を継いで、ロッキー・バルボアのライバルであり盟友だったアポロ・クリードの息子、アドニス(マイケル・B・ジョーダン)を主人公とする『クリード チャンプを継ぐ男』は、新感覚の作品として好評を得た。その成功を受けてさらに制作された、第2作となる『クリード 炎の宿敵』ではアドニスとパートナーのロッキーが、ついにあの因縁の敵と戦うことになる。

 ロッキーがアポロの息子をボクサーとして育てていたように、『ロッキー4/炎の友情』に登場した、ソ連の威信を背負った最強の敵イワン・ドラゴもまた、自身の息子ヴィクターをボクサーとして育て上げていた。父イワンは試合の中でアポロ・クリードに重傷を負わせ、結果的に死に至らしめており、ロッキーは復讐戦でイワンを敵地ソ連で打ち倒していた。そのような過去の遺恨の残る二人がリングへと上がる本作『クリード 炎の宿敵』は、時代を経たアツさが話題を呼び、絶賛する声も多い。

 しかし一歩引いて見ると、本作には違和感を与えられる点も少なくない。ここでは第1作や、いままでの『ロッキー』シリーズとも比較しながら、より冷静な目で本作の内容を考えていきたい。

 激戦の果てに念願のチャンピオンとなったアドニスは、ボクシングのパートナーであるロッキーのアドバイスを受けて、愛するビアンカ(テッサ・トンプソン)と結婚する。そんな、ボクシングでもプライベートでも勝利を勝ち取ったといえるアドニスの前に、ロシアからの新たな挑戦者ドラゴ親子が出現。父イワンは、ロッキーが育てたアドニスと、息子ヴィクターを戦わせようとする。『ロッキー4/炎の友情』にてロッキーに敗北した父イワンは母国で冷遇され、ロッキーに復讐する機会を狙っていたのだ。

 本作の設定は、スタローンやドルフ・ラングレンが再び出演しているように、『ロッキー4/炎の友情』に負うところが多く、ロッキーが雪の原野で全力失踪した描写などに重ねた場面があるなど、当時のシーンを引用するような表現も多い。また同時に、物語の流れは『ロッキー3』にも似ている。チャンピオンになりながら手痛い敗北を喫し臆病になってしまったロッキーを、ときに励ましときに意見をする妻のエイドリアンの存在が支えになるように、本作の弱気になったアドニスも、妻となったビアンカの存在が助けとなる。

 さらにアドニスを突き動かす、もう一つの要素は、『ロッキー4/炎の友情』でも言及されていた「ファイター」としての、戦いへの本能的欲求である。自分より強い相手に立ち向かっていくためには、強い理由が必要となる。本作においては、家族への愛情にくわえ、ロッキーやアポロたちの想い、そして自身の内面的な力が結集することで、やっと最強の敵と打ち合える力が与えられるのだ。

      

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