【漫画】流れ星へのお願いが叶ったら? 終わりが切ないけれどあたたかいSF『ケンチャンマイフレンド』

【漫画】流れ星へのお願いが叶ったら?

 クマムシは真空や高熱、放射線にも耐えられる過酷な環境適応能力を持つ生き物として知られているが、そんな宇宙関連のニュース記事を目にしたことがきっかけで生まれたキャラクターがいる。Xに投稿された漫画『ケンチャンマイフレンド』は、「ムチムチしたクマムシ型宇宙人」という奇抜な発想を出発点に、壮大な終末世界を舞台にした作品だ。

 「友情」という私たちの生活にある身近な概念をテーマにした本作がどのようにして生まれたのかなど、作者の次郎太さん(@jirouta)に詳しく話を聞いた。(望月悠木)

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『ケンチャンマイフレンド』(次郎太)

「もう取り返しのつかない何か」の上にストーリーを描く

――なぜ『ケンチャンマイフレンド』を制作したのですか?

次郎太:2022年ごろ、宇宙関連のニュースで、「クマムシは宇宙空間に耐えられる」という記事を読んだことがきっかけで、なんとなく「ムチムチしたクマムシ型宇宙人」のキャラクターができあがりました。そこから、「このキャラクターが宇宙を走り回る漫画が描きたいな」とぼんやり思い続け、その後も他の漫画を優先して描いていたのですが、ケンチャンの設定だけがどんどん増えていき、居ても立っても居られなくなって制作しました。

――世界観などを決めるうえで、何か着想を得たものもあったのでは?

次郎太:『銀河鉄道999』の好きなエピソードに「大酋長サイクロプロス」という話があります。ぜひ読んでいただきたいので内容は語りませんが、それを読んだ学生のころから、ぼんやりと「自分ひとりきりの惑星で、どう過ごすんだろう?」と考えていました。今回、ちょうどいいキャラクターを思いついたので、そのキャラクターとこの長年の想像をうまく絡めて、「そろそろこの想像にもケリをつけよう!」と思い、舞台を終末世界に決めました。

――この世界の実情、ケンチャンという謎の存在など、徐々に物語の全貌が明らかになっていくストーリー展開も印象的でした。

次郎太:漫画を描く時、かならず「もう取り返しのつかない何か」の上に、ストーリーを組み上げることにしています。今回は、主人公が「ケンチャンを呼んでしまった」ことで、その星はケンチャンによって滅亡する――という出来事が物語の土台になっています。そんな“すでに終わってしまった星”で、1人ケンチャンが来るのを待つことになった主人公が、いざケンチャンと出会ったらどうなるのか。そこからストーリーを組み立てていきました。

――ケンチャンの性格や設定などはどう決めましたか?

次郎太:先述した通り、ケンチャンのベースは、宇宙をもちもちと移動するクマムシです。普通の生き物とはちょっと違う枠組みの“モノ”なので、話が通じるように見えて、そうでもない。宇宙に散らばる願いを喰っては、つぎの願いを目指す、という「事象」です。そういった要素を組み合わせながら作り上げました。

――壮大なSF作品ではありましたが、「友情」という私たちの生活に身近になる概念について考えたくなる内容でしたね。

次郎太:結局は「宇宙のどこかに、自分の友達がいたら寂しくないよな」という気持ちを形にしたかったのだと思います。どんな漫画を描く時も、かならずハッピーエンドにすると決めているので、人生もそうであると信じています。ボンヤリと、そんな気持ちが伝われば嬉しいです。

――最後に今後の目標など教えてください。

次郎太:商業デビューを目指して、編集者さんからアドバイスをいただきながら、奮闘中です。自分の漫画をたくさんの人に読んでいただくことが、なにより嬉しいので、これからも頑張っていきたいと思います!

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