【漫画】クラスの“変なやつ”から目が離せない? 思春期のもどかしさ描く『変声』

思春期特有のもどかしさや、名前のつけられない感情を抱えていた時期は誰にでもあるはずだ。Xに投稿された漫画『変声』は、そんな思春期の繊細な感情を、中学校を舞台に丁寧に描いた作品になっている。作者のはやしわかさん(@hayashiwaka884)に、制作の経緯を聞いた。(望月悠木)
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土岐麻子の楽曲にインスパイア
――今回『変声』を制作した経緯を教えてください。
はやしわか:友人にBL系の同人誌即売会「J.GARDEN」に出ないかと誘われ、「自分はBLで何が描きたいのか」と考えたところ、思春期のもどかしい感じを表現したいと思い、制作しました。
――だから中学校を舞台にした物語だったと。
はやしわか:そうですね。また、世界観については、土岐麻子さんのアルバム『PASSION
BLUE』に収録されている「RADIO」という楽曲の存在も大きいです。学生時代の窮屈で名前のつけられない感情が繊細に押し込められたような曲で、作品の冒頭はかなりこの曲から影響を受けています。あとは挿入歌のように作中に散りばめた「少年時代」(井上陽水)「なごり雪」(かぐや姫)「レイニーブルー」(徳永英明)「Ages Of Rock And Roll」(ハイ・ファイ・セット)などからも着想を得ました。
――「RADIO」の影響を受けているからこそ、本作にはラジオが軸になっていたのですね。
はやしわか:はい。あと、私自身が土岐麻子さんのラジオを愛聴しているので、土岐麻子さんの楽曲からインスパイアされていることもあり、「ラジオ聴く少年たちっていいな〜」と思って組み入れました。
――背の低さを気にしたり、教師にばれないようにイヤホンをしたりなど、いろいろなシーンでかつて自分も中学生だったことを思い出しました。
はやしわか:実体験や見聞きしてきたことを記憶していて、その自分の中のデータベースから類似検索をかけ、出てきたいくつかの検索結果を掛け合わせていった感じで描いています。「きっとこういうことあるだろうな〜」という想像も多分に含まれています。
――主人公の優征と「ちょっと変なやつ」と見られている中川、距離をとっていた2人がふとしたきっかけで仲を深めました。2人の距離感を描くうえで意識したことは?
はやしわか:中川は優征のことが好きですが、優征は恋愛対象がまだわからない人物です。本来は異性かもしれないし、同性かもしれないし、どちらもかもしれない。そのまだ柔らかい部分を決して踏みにじらないようにしたいと思いました。
――細心の注意を払いながら描いたのですね。
はやしわか:あとは「もし自分が優征の立場だったら?」ということもよく考えました。自分が正しいと信じていたものを否定する瞬間は強い衝撃があるでしょうし、未知の領域に踏み出すことはものすごい勇気がいる。ましてや彼は中学生です。仲の良い友人から「好き」と言われ、すぐに「僕も好きです、付き合いましょう」とはおそらくならない。なので、優征が答えを出すのにゆっくり時間をかけました。
――今後、どう漫画制作に取り組んでいく予定ですか?
はやしわか:9月11日から漫画アプリ「マンガワン」(小学館)で、『あむさんさん』という漫画の連載を開始しました。人生を編み直すことをテーマに置いています。『変声』とはまた違った作品になりますが、こちらもぜひ注目してもらえたら嬉しいです!




















