強制収容所に送られたユダヤ人の男女が生き抜いた70年 『アウシュヴィッツの恋人たち』

『アウシュヴィッツの恋人たち』発売

 『アウシュヴィッツの恋人たち』(ケレン・ブランクフェルド/杉田七重訳・東京創元社)が11月28日(金)に発売された。

 ある男女の70年を描く、傑作ノンフィクション『アウシュヴィッツの恋人たち』。ツィッピこと、ヘレン・ジポラは23歳で、ダヴィド・ヴィスニアは16歳でそれぞれ強制収容所に移送される。ダヴィド・ヴィスニアは16歳でそれぞれ強制収容所に移送される。大切な人を理不尽な形で失いながらも懸命に生きるふたり。ツィッピはグラフィックデザイナーを、ダヴィドはオペラ歌手を目指したその腕前をいかして、周囲の人と助け合い、時にしたたかに振舞いながら極限の環境をなんとか生き延びていく。何度も死の危機をくぐり抜けてついに出会ったふたりはすぐに恋に落ち、そこからは命がけの逢瀬を重ねる。戦況と共に状況が大きく変わっていく中、ふたりが辿る運命は――。

 ユダヤ人であるツィッピやダヴィドを取り巻く環境が悪化の一途をたどる緊迫感、強制収容所の筆舌に尽くしがたい残酷な状況、その中を生きる人々の恐怖と絶望、そして希望。この歴史的な大虐殺の真実が、胸に迫る臨場感で描かれている。貴重な写真や図版、さらに歴史的な用語を丁寧に解説・翻訳している点も、読者が事実を理解する助けになっている。作家のコメントも届いている。

実際に起きたとは信じられない物語だ――だからこそ、この物語は真実でしかありえない。
ラリー・ロフティス(作家)

本書は、人々が生きるためにはどれほど愛するという行為が必要か思い出させてくれる。
ヘザー・デューン・マカダム(作家)

どんなラブストーリーとも違う――心揺さぶられる本書からは、人間の魂は、たとえそこがアウシュヴィッツの地獄であっても、決して滅びることはないと教えられる。
ジュリア・ボイド(作家)

■書誌情報
『アウシュヴィッツの恋人たち』
著者:ケレン・ブランクフェルド
訳:杉田七重
価格:3,850円(税込)
発売日:2025年11月28日
出版社:東京創元社

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