劇場版『チェンソーマン レゼ篇』海外での評価は? 「激しいアクションと深い情感が融合した作品」

日本では9月19日から公開され、10月17〜19日の週末に至るまで5週連続で動員ランキング1位にランクインするなど、興行的に大きな成功を収めている劇場版『チェンソーマン レゼ篇』。9月後半にはアジアの一部地域での公開が始まり、また10月24日からは、『Chainsaw Man – The Movie: Reze Arc』のタイトルでアメリカでの公開も予定されている。
本作については、すでに英語圏でもWEB上にて様々な記事が発表されている。例えばエンターテイメントニュースサイト「SCREEN RANT」に9月19日に掲載された記事では、公開前後の日本での盛り上がりを「今年最も注目されているアニメ映画のひとつ」「激しいアクションと深い情感が融合した作品であり、藤本タツキの原作を完全に尊重しつつも、最もスリリングな場面をさらに拡大して映像化していると、ファンから絶賛されている」と紹介。日本国内での好評は、海外でも好意的に報道されている。
ゲーム、映画、テレビ番組、コミックなどに関するニュースサイト「gamesradar」では、9月22日の記事で本作の初動興行収入について注目。『レゼ篇』の興行収入について「『鬼滅の刃 無限城編』にはおよばないものの、日本の映画館の集客においてアニメ映画が今後も定着していくことを証明している」とし、原作の重要パートを可能な限り大きなスクリーンで鑑賞する機会をファンに提供することが、多くの観客を動員する手法になっていると指摘した。
日本のポップカルチャーについて報道するサイト「TOKYO SCOPE」では「短い上映時間が、リピート観客動員とチケット売り上げを押し上げる可能性」について言及している。『レゼ篇』の上映時間が99分と競合作品より短いことに注目し、この上映時間によって劇場が追加上映を組み込みやすくなっている点や、短編アニメ映画は繰り返し鑑賞される傾向がある点を指摘。この特徴が興行収入10億円突破を後押しする可能性があることを紹介した。
ただし、本格的な英語圏での公開はこれからの作品でもあり、作品自体のレビューや批評はまだ少なめ。それがわかりやすく表れているのが「Rotten Tomatoes」のスコアで、『レゼ篇』のページは記事執筆時点で批評家レビューの数がゼロ。海外の批評家レーティングが集まってくるのは、10月24日の公開以降ということになるだろう。
その他の英語圏報道も含め、現時点での『レゼ篇』に関する報道は、「映像・演出・作画・音楽など、アニメ作品の諸要素に関して高い完成度を持つ映画」として好意的な期待を寄せられていると言っていい。また、すでに公開されている日本やアジア圏でのSNSなどでの反響も紹介しつつ、ファンの期待に応えた作品として本作を評価する声も多い。
さらに言えば、テレビシリーズではなく「100分弱の劇場公開映画」という形態自体が注目されている側面もある。すでに日本では高い興行収入を叩き出している面を紹介しつつ、すでに広く知られているコミックを短尺の映画にすることが収益性の高いビジネスになっていることを指摘した記事も多い。また、この一連のヒットによって、制作を担当したMAPPAがアニメスタジオとしてどのような地歩を築いたかに注目した記事も散見された。
いずれにせよ、英語圏での『レゼ篇』公開はもうすぐ。ヒットを記録した日本と同様に大きな興行収入を稼ぐことができるのか。そして批評面での評価はどのようなものになるのか、気になるところである。





















