【漫画】社会人になってから母校の学園祭に行ける? 大人の青春描く『ストロベリーレモン』

【漫画】社会人が母校の学園祭に行ける?

 仲間と過ごす青春は学生だけの専売特許ではない。Xに8月下旬に投稿された『ストロベリーレモン』では、大人になった高校時代の先輩後輩3人が退屈な日常から抜け出す様子が、ゆるっと描かれた作品になっている。

 本作を手掛けたのは普段イラストレーターとして活動している愛乃嘘子さん(@usokotyan)。本作を制作した背景など話を聞いた。(望月悠木)

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『ストロベリーレモン』(愛乃嘘子)

NFTで発行したキャラ

――今回『ストロベリーレモン』を制作した理由は?

愛乃:もともと本作に登場するキャラクターは、以前にNFT※として発行していました。自分の創作したオリジナルキャラクターの新しい作品を発表する度に、XなどのSNSで好意的な反応をもらい、創作活動のモチベーションになりました。
※ブロックチェーンをベースにして作成された代替不可能なデジタルデータ

――そのキャラクターを物語の中で動かしたのが本作と。

愛乃:はい。NFTだけにとどまらず、「この子たちの始まりの物語を漫画にしたい」という思いが強くなり、本業の合間を縫って少しずつ物語を考えました。その後、本作を出版社の持ち込みイベントに行った際に、いただいたアドバイスをもとに修正を加えて完成したのが本作になります。

――なぜ高校時代にバンドを組んでいた先輩後輩の女性3人の物語だったのですか?

愛乃:楽器を弾いている可愛い女の子を描くのが好きで、いろいろなイラストをXに投稿していました。そんな中で、知人から「どうせ描くなら設定も考えて、オリジナルIPを育てる気持ちでキャラクターを創ったら?」というアドバイスをもらい、高校時代にバンドを組んでいた先輩後輩の女性3人になりました。

——不幸ではないけど平凡な日常を送っている3人がもう一度バンドを始める、というストーリーでしたね。

愛乃:バンドを始めるきっかけはいろいろあると思います。「先輩後輩という間柄で始めるなら?」と考えた時に、「青春時代にその布石があり、いつもの日常の延長線上から、ふとしたきっかけでまた活動をする」という形はよくあります。ただ、「この3人だったらどんな風に物語が展開するだろうか?」という風に考えてストーリーを考えました。

——3人だけの物語にはせずに、バーのマスターも絡ませたストーリーにした背景は?

愛乃:いつでも3人が集まれ、なんでも話せるお気に入りの場所を考えた時に居酒屋が良いと考えました。そして、どうせ行くなら、話を聞いてくれるマスターがいて、「いつもの!」と言ったら、お気に入りのお酒を出してくれる場所がいいと思ってバーにしました。

作画での苦労

——3人のゆるっとした会話劇を描くうえで意識したことはありますか?

愛乃:「読んでいる人がほっこりしてくれるといいな」ということは意識しました。具体的には、少しキャラをデフォルメ気味で描いたり、演奏シーンはしっかり描いたりなど、「メリハリがつけば」と考えて試行錯誤しました。

——楽器を持った登場人物を描くことはとても難易度が高い印象ですが、演奏シーンなどで苦労したことを教えてください。

愛乃:自分自身に楽器演奏の経験があまりないため、わからないことがとても多かったです。ただ、「どうせ描くのであればしっかり描きたい」と思い、参考資料を探したり、「CLIP STUDIO PAINT」の3D素材を使用したりなど、なるべく違和感がなく見えるように制作しました。とりわけ、ドラムの演奏シーンは難しく、今でも「これで正しいのか?」と思っています。

――今後の漫画制作における目標などを教えてください。

愛乃:オリジナルで連載できる漫画家を目指し、日々作品を投稿しては反応を見て、という試行錯誤を繰り返しています。今のところあまり結果には繋がっていませんが、「面白いとは何か?」をずっと考える日々です。ちなみに、本作の続編も構想しているところで、遠くない未来にまた発表できると思います!楽しみにしてくれる人がいたらとても嬉しいです!


■愛乃嘘子 宣伝情報
漫画部分を担当した書籍『マンガでわかるプレコンセプションケア』(主婦の友社):https://books.shufunotomo.co.jp/book/b10105359.html
X:https://x.com/usokotyan
Instagram:https://www.instagram.com/ainousoko/
ホームページ:https://ainousoko.com

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