『ONE PIECE』ゲッコー・モリアは“ワノ国の英雄”だった!? 最新話で謎めいた過去が明らかに

※本稿は『ONE PIECE』最新話のネタバレを含みます。
『ONE PIECE』のスリラーバーク編でルフィたちを苦しめた海賊、ゲッコー・モリア。卑怯で残忍な性格の敵キャラクターとしてお馴染みだったが、9月1日発売の『週刊少年ジャンプ』40号(集英社)に掲載された最新話の描写から、“正義の海賊”だった可能性が噂されている。
今回掲載された第1158話で話題を呼んでいるのは、扉絵連載「鬼の子ヤマトの金稲荷代参」の内容だ。この連載はワノ国に残ったヤマトが方々を漫遊していくというストーリーで、ここ数回では鈴後の親分・お蝶に案内され、とある墓にお参りするところが描かれていた。
その墓に眠っている人物は「鈴後育ちの英雄」とされており、村を守るためにカイドウと戦い、遺体も残さずに亡くなってしまったという。そして最新話では、墓に刻まれた人名が「光月もりあ」だったことが明らかになった。名前が完全に一致しているわけではないが、ゲッコーが“光月”のアナグラムであることは明らかだろう。
そもそもモリアとカイドウが鈴後で一戦を交えていたことは、過去のエピソードでも描かれたことがある。それは単行本96巻に収録された第969話でのこと。光月おでんが帰還してから2年後、鈴後で「ゲッコー海賊団」と「百獣海賊団」の戦争が勃発するとともに、「刀神リューマの墓荒らし事件」が起きたことが明かされていた。
“刀神リューマ”こと剣豪・霜月リューマは、スリラーバーク編でゾンビとして登場しているため、当時のモリアは墓荒らし目的でワノ国に上陸し、カイドウと戦闘になったのではないかと考えられていた。
しかし最新話の描写を踏まえると、むしろ因果関係が逆だったと推測することができるだろう。すなわちモリアは故郷の鈴後をカイドウの支配から解放するために戦って敗北。そこで強力なゾンビ軍団を率いてリベンジすることを誓い、リューマの遺体と秋水を持ち去った……という流れだったのではないだろうか。
実は仲間想いだったモリア……本心はどこにある?
もちろんモリアが鈴後の住人たちに英雄視されていたからといって、本当に「正義の海賊」だったのかどうかはまだ分からない。バギーが周囲の勘違いでカリスマ的存在に祭り上げられたように、本人はたんなる私利私欲のためにカイドウと戦っただけかもしれないからだ。
実際にスリラーバーク編では自分では手を下さず、他人の力で海賊王になるという野心を語っており、“冷酷非道な海賊”というイメージがないわけではない。
とはいえ、実際にはモリアはむしろ仲間想いなところのある人物だ。部下のアブサロムが失踪した際には、自ら海賊島ハチノスを襲撃し、“黒ひげ”ティーチに挑みかかっていた。そしてアブサロムがすでに死んでいることを知ると激高し、「おれの船に乗れ」という勧誘も拒否している。
そもそもモリアがゾンビ軍団にこだわるようになったのも、仲間想いな性格の反動だと思われる。かつて仲間を失ったことがある種のトラウマのような体験となり、“最初から命がないゾンビなら何も失うものはない”という境地に至ったのだ。
カイドウとの戦闘は仲間を失う前の出来事だったようなので、当時のモリアはまだひねくれた性格ではなかったはず。“鈴後を守りたい”という純粋な理由で行動していたという線は十分ありえるだろう。
さらに今回の描写によって、モリアが作中の重要人物となる可能性も浮上している。本当に光月家出身であれば、世界の最高機密であるポーネグリフの読み方を伝授されていたとしてもおかしくはないからだ。
振り返ってみれば、マリンフォード頂上戦争編のエピローグにて、モリアがドフラミンゴに始末されそうになる場面があった。これは当時の海軍元帥・センゴクよりも「もっと上」からの指令だとされているが、五老星から危険視された結果だったのではないだろうか。
モリアはハチノスの牢屋に囚われていたところを部下のペローナに救出され、現在は自由の身になっている。激動の世界情勢のなかで、一体どのような役割を演じることになるのか、今後の活躍に期待が高まる。






















