戦場体験のスケッチ130枚を収録『無名兵士の戦場スケッチブック 砲弾と飢餓と鎮魂』

砂本三郎著(渡辺考:解説)『無名兵士の戦場スケッチブック 砲弾と飢餓と鎮魂』(筑摩書房)が7月3日に発売された。
本書の著者・砂本三郎は1917年広島県生まれの「市井の人」。陸軍の一兵卒として激戦の中国戦線、そして多くの餓死者を出した南方ウエーキ島にて二度の軍隊生活を経験し、戦後はサラリーマン生活を送った。
砂本は戦後30年を過ぎてから大病により生死をさまよったことをきっかけに、生まれて初めて絵筆を取り、膨大な数の戦場スケッチを描き残した。
「描かれたスケッチは、ふたつの戦場に大別される。日中戦争さなかの宜昌作戦、そして太平洋戦争でのウエーキ島。広大な大陸、そして太平洋の小さな島。一連の労作は、まったく異なる戦場を生き抜いたひとりの日本兵の貴重な記録である。」(本書冒頭より)。
砂本が亡くなった後、四半世紀にわたって世に知られることなく眠っていたスケッチから130枚が、詳細な解説を加え紹介される。
■推薦コメント
戦争の真実を見た元兵士。戦後社会で画兵としてそれを描き残す。
記憶と記録から生み出された教訓は次代への貴重な申し送りである
ーー保阪正康
どんな人でも驚愕する。無名の兵士が目撃した戦場を描いた。
そこには庶民の戦争体験のなまなましさがあふれている
ーー秋吉久美子
終戦80年の年に色鮮やかに姿をあらわした砂本の『戦争記録画』は、 隠されたもうひとつの『記憶遺産』だ
ーー椹木野衣
■書誌情報
無名兵士の戦場スケッチブック 砲弾と飢餓と鎮魂』
著者:砂本三郎
価格:3,080円(税込)
発売日:2025年7月3日
出版社:筑摩書房
























