約130人の子供が集団失踪、その真相は今なお不明ーー6月26日は『ハーメルンの笛吹き男』事件発生の日

本日6月26日は、1284年にドイツ・ハーメルンで約130人の子供が集団失踪するという事件が起こった日だ。グリム兄弟の伝承で知られる「ハーメルンの笛吹き男」のもとになった実在の事件でありながら、今なおその真相は解明されていないという。
そんな「ハーメルンの笛吹き男」の伝説に、歴史学からアプローチした名著が歴史学者・阿部謹也の『ハーメルンの笛吹き男』(筑摩書房)だ。
《ハーメルンの笛吹き男》伝説はどうして生まれたのか。13世紀ドイツの小さな町で起こったひとつの事件の謎を、当時のハーメルンの人々の生活を手がかりに解明、これまで歴史学が触れてこなかったヨーロッパ中世社会の差別の問題を明らかにし、ヨーロッパ中世の人々の心的構造の核にあるものに迫る。新しい社会史を確立するきっかけとなった記念碑的作品と称されている。
初版は1988年と、今から40年近く前の書籍でありながら、まるで推理小説のようなスリリングな読み心地が読書家たちを唸らせており、現在でも毎年6月26日が来るたびに売れ続けているという同書。「ハーメルンの笛吹き男」に興味を持った方はもちろん、歴史好き、ミステリ好き、ノンフィクション好きにもおすすめできる一冊だ。























