『誰が勇者を殺したか』シリーズで脚光! 最注目ラノベ作家・駄犬に聞く、斬新な作品群の創作背景

『誰が勇者を殺したか』駄犬インタビュー

ライトノベルからの広がり

『誰が勇者を殺したか(1)』(カドコミ)

――『だれゆう』『モン肉』『悪の令嬢』『死霊魔術』はいずれもコミカライズされて好評です。原作者としてどのようなスタンスでコミカライズに臨んでいるのでしょうか。

駄犬:基本的にはお任せです。あまりにも違う部分があれば直して欲しいと要望を出しますが、大きく出したことはないですね。コミカライズによって大勢の人に作品が届くことをとても嬉しく思っています。

――次はアニメ化も期待したいですね。

駄犬:アニメになって欲しいという願いはもちろんあります。わがままな願望になりますが、できる限り良い感じに映像化されて欲しいですね。

――『だれゆう』のあとがきで本屋大賞が欲しいということを強く訴えていたのが印象的でした。何か意図があってのものでしょうか。

駄犬:あそこに書いた通りで、普通に本屋大賞を目指していましたし、あの作品なら取れると本気で思っていました。ただ、ライトノベルなのでそもそも相手にしてもらえないかもしれないと思い、声を出したところはあります。本屋大賞は今でも取れるもなら取りたいですし、取れるような作品が作れたら良いなと思っています。

――今後は商業出版を中心に書いていかれるのでしょうか。「小説家になろう」への投稿も続けるのでしょうか。

駄犬:今は商業出版の仕事が重なっていて、「なろう」では書けていませんが、時間が取れればまた書きたいなとは思っています。1番新しい投稿は2月に発表した『最後の魔法』ですね。これも出版が決まっています。商業の方では一般文芸のオファーが多い感じで、今はプロットを作っています。ライトノベルとは違ってリアリティのラインを上げることを意識しています。読者がどの層になるのかはあまり考えたことがないですね。自分が面白いと思ったことを書くだけです。

――ライトノベル以外の場所でも活躍が見られそうですね。

駄犬:そんなに多くないかもしれませんが、一般文芸での執筆もあるかもしれません。ただ、読者の方にはライトノベルではないからと敬遠しないで読んでいただけたらと思っています。自分は名前で読んでもらえる作家になりたいと思っています。読者の方にもぜひ付いてきて欲しいという気持ちがあります。

――その名前が「駄犬」というのも面白いですね。

駄犬:『モン肉』を書いた時、あれはコメディーだったのでダサくても良いかと思って付けた名前だったのですが、次に書いた『だれゆう』を出す時に、担当の人から「今後もこのままで行きますか」と聞かれました。その時すでに4、5作品くらいの書籍化が同時進行していて、今さらペンネームは変えられないのでそのまま突き進んでいる感じです。

――今や「駄犬」は名前で読みたい作家の筆頭です。

駄犬:ありがとうございます。

■書誌情報
『誰が勇者を殺したか 勇者の章』
著者:駄犬
イラスト:toi8
価格:814円
発売日:2025年5月30日
レーベル:角川スニーカー文庫
©駄犬/KADOKAWA スニーカー文庫刊 イラスト:toi8

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