『地獄先生ぬ~べ~』のアップデートがスゴい! 新作アニメと原作漫画の違いを検証

『地獄先生ぬ~べ~』どこがスゴい?

 7月2日深夜より、新作アニメ『地獄先生ぬ~べ~』の放送がスタート。1990年代に『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載された大人気オカルトマンガが、“令和クオリティ”の作品として蘇った。

■原作から漫画から現代版へどう変化した?

 原作と比べると、キャラクターや時代背景の設定、そしてストーリー展開に至るまで、さまざまな点で変更が見られる。その内容を具体的に検討していこう。

 同作は“鬼の手”をもつ霊能力教師、「ぬ~べ~」こと鵺野鳴介が、おかしな現象の多発する童守町の小学校に赴任し、生徒たちを守るために奮闘するというストーリー。新作アニメでも大筋は変わっていないが、舞台設定が現代へとアップデートされている。

 たとえば第1話では、ぬ~べ~が受け持つ5年3組の教室風景が映し出されたが、そこで生徒の1人、木村克也がスマートフォンを触っていた。また授業中には、紙の教科書ではなくタブレット端末を使っている描写もあり、令和のリアルな学校生活が反映されている。

 さらに、こうしたガジェットは単なる小道具では終わらない。立野広が授業中に見ていたタブレットの画面が暗転し、鏡のように映った自分の姿が突如化け物に変貌する……という描写もあり、現代ならではのホラー演出となっていた。

 そして、今回のアニメが見せた最大の変化はアクションシーンの演出だ。第1話は広に「九十九の足の蟲」が取り憑くという内容だが、たんにひとを短気にさせるだけの存在だった原作に対して、新作アニメでは不気味な化け物として姿を現し、華麗に宙を舞いながら稲葉郷子に攻撃を仕掛けている。

 また「九十九の足の蟲」の祓い方も、原作ではお経を唱えて霊を浄化するという霊媒師的なアプローチだったが、ぬ~べ~が「鬼の手」で広を豪快に殴り、悪霊を弾き出すという描写に変わっていた。

 さらに広の身体から飛び出した「九十九の足の蟲」は、鬼の手を解放したぬ~べ~と大立ち回りを演じることに。ド派手なエフェクトや高速で切り替わるカットが駆使されており、“動”の魅力あふれるシーンにアレンジされている。“戦う教師”という印象がより強調されており、初見の視聴者を引き込む力は十分だ。

 その一方、夜な夜な動き出す人体模型の謎を描いた第3話「真夜中の優等生」では、原作よりアクション要素を強くしつつも、バトルシーンを追加するような改変は行われていない。あくまでオカルトものの領域に留まりつつ、ケレン味を追加するという方針なのではないだろうか。

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