トランプと決裂したイーロン・マスクに残された“3つの道”とは? 注目集まるロボタクシーの実証実験

イーロン・マスクに残された“3つの道” 

 第1の道は、自身の事業に邁進すること。とはいえ、すでに触れたようにロボタクシーはウェイモに先行され、EV市場も先行きは不透明。宇宙事業も、もし政府と敵対するようになれば継続は厳しい。

 第2の道は、謝罪してトランプと和解するルート。周囲はこれを勧めているらしい。まあ、順当な選択なのだろう。

 そして第3の道があるとすれば、それは「火星移住を前倒し」することだろう。

 イーロンは、火星移住とそれにつながるビジネス構想を以前から掲げてきた。未来学者のダグラス・ラシュコフは、マスクが火星移住にこだわる理由をテック富裕層たちが、いずれ地球で嫌われすぎて、追放される未来を見越しているからだと語っていた。その予言は、今回少しだけ現実に近づいた気がする。トランプが本気で「イーロンをアメリカから追放しろ」と言い出す日が、来ないとも限らない。人類が宇宙への入植を始める宇宙世紀0001年が2025年になるかもしれない。

 現実的には、トランプとイーロンがもう一度手を組む可能性が最も高いだろう。ただ、両者の性格は根本的に合わない。テクノロジーへの向き合い方以前に、トランプは毎日ゴルフしてくれれば文句を言わないタイプ。一方、イーロンはすぐに飽きて新しいことに手を出さずにはいられない。今回たとえ仲直りしたとしても、またどこかで決裂するはずだ。

 人と人が一度喧嘩して、二度と元に戻らないケースもある。フミヤと髙杢。まあ、規模はだいぶ違うけれど。

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「連載」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる