THE RAMPAGE・川村壱馬、「僕」と「俺」を使い分けた理由は? 自ら綴ったフォトエッセイ『PROMISE』インタビュー

RAMPAGE・川村壱馬が使う「僕」と「俺」

アーティスト・川村壱馬とRAVERSの厚い信頼関係

――RAVERS(THE RAMPAGEのファン)以外の方のことも、かなり意識して制作されたんですね。

川村:ビッグマウスに聞こえるかもしれませんけど、僕、この本ってかなり可能性を秘めた本だと思うんですよ。自己啓発本のような存在として、ファン以外の方にもたくさん読んでいただいて、この価値観・考え方・生き方を世間に広めたいんです。僕が綴った考えが誰かの救いになるんじゃないかって、勝手ながらも思っていて。だからこそ、本当に伝えたいことに焦点を絞って、メンバーとのエピソードは最小限に抑えて書いていきました。

――……と言いつつも、序盤からクスッと笑える“虫嫌いエピソード”が盛り込まれていて(笑)。ここは読みやすさを意識して、あえてユーモアを入れたのかな?と。

川村:そうですね。小説を読んでると、「この比喩上手いなぁ……」って思うことがあるので、それを自分もちょっとやってみたくて。ジョークが苦手な自分なりにひねり出した喩えが、“虫”でした(笑)。……でも、上手く喩えられたんじゃないかな? どうでしょう?

――あまり壱馬さんを知らない方こそ、「こんな一面もあるんだ!可愛い!」ってなるでしょうし、もっと内面を知りたいと思うのではないでしょうか。

川村:ありがとうございます。そう思って、最後まで読み進めてもらえたら嬉しいですね。

――でも読み進めていくと、「愛の行く末」に「俺はそう遠くない未来に結婚する。」という一文が待ち受けていて。ファンの方にとっては、読む覚悟のいる1冊でもありますね。よくお話されていたことではありますが、改めて結婚観を綴った理由はなんでしょうか。

川村:何度も言うように、僕は自分の生き方が他人の役に立てばいいなと、常々思っていて。自分が経験してきたことも、誰かの役に立つのであれば、堂々と発信していきたいんです。他の同業者が発信できないようなことも臆せず言えるのが、自分の強みだと思うし、自分が発信したことが誰かの勇気になると信じている――。僕のアーティストとしての活動理念がそこなので、僕に傾倒するあまり“ファンの方の人生が疎かになるような、破滅に行きかねないファンとアーティストの関係性”は、自分には不健全に見えるんですよね。

「自分は結婚する」ーー川村の澱みない語り口からは、揺るぎない誠実さが滲み出ていた。

――『Etoile』のインタビューでも「芸能界で自分らしく生きることの難しさは、常に感じています」(https://realsound.jp/book/2024/04/post-1632977_3.html)と話されていましたが、ご自分が発信することで既存の芸能界の価値観を変えていけたら、という想いもありますか?

川村:この章に限らず、他の話題にも言えることなんですが、同業の人に向けて発信してる部分も多いですね。例えばアイドルの方とかで、事務所が明確なルールとして「恋愛禁止」を掲げているなら、その方針を守るべきだと思うんですよ。ルールを守らない人がいるから、ファンは傷つくわけで。でもTHE RAMPAGEのように「恋愛禁止」のルールがないグループに関しては、アーティストとファンという一定の距離を保った、対等な関係を築いていけると思うんです。とはいえ、恋愛禁止じゃないからと言って不誠実な振る舞いをするのは、ファンの人に対しても関わった方にも失礼ですから。そういう不誠実な人達に対して「そんなんじゃ生き残っていけないぞ。本物になれないぞ」っていう警告を込めつつ、自分自身にも言い聞かせるつもりで書きました。

――本物=誠実な生き様とエンターテイナーとしてのスキルで勝負する人、というイメージでしょうか。

川村:そうですね。みなさんもご存知のように、今の芸能界にはさまざまな問題があると思うんです。でも、良くない慣習に流されないように麻痺しないように……。そのアーティストやアイドル、俳優を応援している人が苦しむことのない、そんな業界になればいいなと願っています。

――では最後に、本書に『PROMISE』と名付けた理由を教えてください。

川村:この本には、自分やファンのみなさんに対しての約束事と言いますか、自分が今まで意識してきたことや、これからも大事にしていきたいことを綴ったので、『PROMISE』と名付けました。ですから、読者の方に強制することではなくて。「自分はこうやって生きていきます」という決意表明として受け取ってもらえたらと思います。そして、僕のことをよく知らない人にも、たまたま『PROMISE』を手に取る機会があって読んでいけたら嬉しいですし、この作品が、いろんな方の人生を後押しするキッカケになればいいなと思っています。

――ちなみに、川村壱馬先生の57枚に渡る生原稿はいつか見られるのでしょうか?

川村:6月14日から始まる『GL-16 THE RAMPAGE museum』(https://www.hmv.co.jp/news/article/250226105/)で、万年筆と共に原稿を展示します。生原稿を見られるのはちょっと恥ずかしいんですけど、「ここ、間違ってるやん」とか思いながら楽しんでください(笑)。

アーティスト・川村壱馬はこれからも迷いなく活躍してくれるだろう。

◼︎書籍購入ページ:https://www.gentosha.co.jp/book/detail/9784344042889/

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