THE RAMPAGE・陣、1stエッセイ『JOKER』インタビュー グループの軌跡や中務裕太との絆を感じるエピソードを語る

THE RAMPAGE・陣、グループの軌跡を語る

浦川翔平は照れ隠しでふざけている?

――メンバー1人1人に対する陣さんからのメッセージと、それに対するメンバーからのコメントが載っていますが、この章を読み返した時に思ったことはなんでしょうか。

 5年くらい前だったら、多分、こんなに具体的に言えなかったやろなぁ……って思いましたね。今では、誰一人詰まることなく「このメンバーはこういうところがあるよね」って言えるし、さらに踏み込んで「でも、もっとこうしたら良いのになぁ」っていうところまで言えたので、今出せて良かったなって思いました。僕も去年30歳になりましたし、結成当時は10代だったメンバーも全員20代になりましたけど、大人になればなるほど、「ここは直したほうがいいよ」とかって言いづらくなると思うんです。でも、僕らは信頼関係があるから、臆することなく言えるし、この人にはどういう言い方をすればちゃんと伝わるかを知ってる。それが今のTHE RAMPAGEなんやなっていうのが、このページを読んでもらうと、よくわかると思います。

――ちなみに、(浦川)翔平さんから陣さんへのメッセージで「陣さんも僕もふざけている代表だけど、真面目な部分を出すのが恥ずかしいから、その部分をコーティングするためにあえてふざけているのでは?」という問いかけがありましたが、実際のところはいかがですか?

浦川翔平からの指摘は図星……というワケではなさそう。

 これは僕じゃなくて、彼(浦川)自身のことなんですよ。彼は照れ隠しでふざけてるタイプなんで。確かに、僕も根はすごい真面目なんです。会議の時もズバッと意見を言うし、メンバーに対して言わなきゃいけないことは、たとえ厳しいことでも言うし。特にライブのリハーサルの時は、かなりキツイ自覚があります。でも、それだけだと嫌われちゃうなと思ったから、普段はその倍はふざけてるようにしてますね。根がふざけてるのもあるけど、率先して明るい空気作りをしてるなぁって『JOKER』を作ったことで気づきました。

――その厳しさと気遣いのギャップが、陣さんが“THE RAMPAGEのオカン”と呼ばれる所以なんでしょうね。

 楽屋が汚れてると「これ、誰の~?」って叱るんですけど、その雰囲気もオカンっぽいかもしれません(笑)。でもね、僕がそう言うと「俺のじゃない」っていう人がいるんですよ。いや、そうじゃないやろ!と。たとえ自分のじゃなくても、グループとしてお借りしている楽屋なんだし、目の前にあるゴミくらい捨てろや!と。それくらい細かく言っちゃう人間なんで、フォローするべき時も細やかなフォローをするようにしています。

――そういえば、インタビュー後に1人残って、取材用の紙資料を整えているメンバーを見かけたことが何度かあって。内心「今日は(後藤)拓磨さんが片づけ係なのかな?」「今日は(川村)壱馬さんの番かな?」と思っていたんですが、そういった決まりはありましたか?

 デビュー当初は、スタッフさんから「来た時より美しく」を教え込まれていたこともあって、みんなで話し合ってルール化していました。でもここ数年は、メンバーがバラバラに帰宅することが多いので、その意識が疎かになってるなって感じてて。去年、僕からみんなに「最近はバラバラに帰ることが増えてるので、先に帰って気づかなかったっていう人もいるかもしれませんが、気づいた人は整理整頓してから出ましょう」ってLINEしましたね。もう良い大人達なので、お恥ずかしいんですけど、いまだに言います(笑)。

――「気をつけようや」みたいな口調じゃなくて、敬語で言うんですね。

 メンバーを叱る時は絶対敬語ですね。「〇〇しようや」って僕が言っちゃうと、ちょっと幼稚に聴こえちゃうんですよ。学校の先生と生徒みたいになっちゃう。でも、ここは仕事の現場だから。仕事としてちゃんとしなきゃいけない部分は、あえて敬語でビジネスライクに言うようにしてます。

幼い頃の兄弟喧嘩に社会の縮図が

――『JOKER』の前半部分には、陣さんの生い立ちを語るページや、地元・大阪で関わってきた人との対談もあります。その章を読み返して、感じたことはなんでしょうか。

 改めて、僕は他人に恵まれてるなって思いましたね。多感な思春期の頃、周りに素敵な方がたくさんいたので、実は反抗期にもなったことがないんです。男3兄弟ということもあり、兄弟喧嘩はめちゃくちゃありましたけど、グレることなく、すくすくと育ちました(笑顔)。

――当時はどんなことで喧嘩を?

 2個上の兄がめちゃくちゃヤンチャやったんですよ。だから、基本的に兄の言い分が悪くて、僕が正しかったんです。それなのに、「合ってるか、合ってないかじゃない。生意気や」って理由でどつかれて!(笑)その時に僕は「世の中にはこんな理不尽があるんや」って知って、物事を論理的に考えるようになりました。「アカンことはアカン、でも言うタイミングは考えよう」「そうか、言わない正解もあるのか!」って。

 芸能界に入ってからも、そういうことってよくあるんですよね。正しいと思うことを主張したとして、すぐに大勢に受け入れられるかって言ったら、そうじゃないんだなって思うこと。そういった社会の厳しさを、子どもの頃にいち早く兄から学ばせていただきました(笑)。

――坂本家の中に、社会の縮図が……(笑)。

 そうそう、2人喧嘩で社会を学ぶっていう。僕、あの頃ずっと考えてましたもん。「なんでアニキのほうが悪いのに、俺が怒られるん!?」って。でも、何度も喧嘩するうちに「可愛く伝えたら、怒られないこともあるんやな」って気づいたりして。今、会社でも意見を言う時は、「それは違います!」っていきなりぶつかるんじゃなくて、「僕もそう思うんですけど、こういう見方もできませんかね……?」って言うようにしています。発言テクニックが磨かれました(笑)。

幼少期に身につけた処世術が社会に出ても活きることに……

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